心血管病の中等度リスク患者でロスバスタチンはプライマリーアウトカムを低下させる (HOPE-3)

心血管病の中等度リスク患者でロスバスタチン10mg とプラセボの比較、フォローアップ5.6年
ロスバスタチンはプラセボに比べ、26.5% LDLコレステロールを低下させ、 first coprimary outcome のハザード比は0.76となった。

Yusuf S et al. Cholesterol Lowering in Intermediate-Risk Persons without Cardiovascular Disease. N Engl J Med. 2016 May 26;374(21):2021-31.

Cushman WC, Goff DC Jr. More HOPE for Prevention with Statins. N Engl J Med. 2016 May 26;374(21):2085-7.

Semaglutide は心血管アウトカムを改善させる SUSTAIN-6

 GLP-1作動薬(週1回注射)Semaglutide とプラセボの比較、104週のフォローアップの結果、Semaglutide群で、ブライマリーアウトカム(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中)が 26%減少した。
Semaglutide治療群で、非致死性脳卒中が有意に減少(36%)、有意差はつかないが非致死性心筋梗塞が26%減少した。心血管死は同程度であった。

マクロアルブミン尿の出現率の結果から、Semaglutide は腎症の新規発症と悪化を抑制する。
網膜症のイベントが少ないが、Semaglutideで、網膜症合併症(硝子体出血、失明、硝子体注射あるいは光凝固術)が予想外に増加した。1型糖尿病で、急速な血糖値改善と網膜症悪化の報告がある。Semaglutide の網膜への直接作用は除外できていない。

2年にわたり、Semaglutide では、プラセボに比べ、A1C低下、体重減少、収縮期血圧減少が認められ、これらは心血管リスク低下に寄与していると考えられる。

ベースラインのA1C8.7%、104週で、Semaglutide 0.5mg 7.6%、Semaglutide 1mg 7.3%、プラセボは、ベースラインから0.4%低下 、プラセボとのA1Cの差は、Semaglutide 0.5 mgで-1.1%、Semaglutide 1mg で-1.4%

急性膵炎 Semaglutide 9 プラセボ 12
リパーゼ、アミラーゼはSemaglutideで高い。

Semaglutide and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes — NEJM

メトフォルミンと多嚢胞性卵巣症候群 (Polycystic ovarian syndrome, PCOS) 2

多嚢胞性卵巣症候群 (Polycystic ovarian syndrome, PCOS) では、高インスリン血症がいくつかの経路で高アンドロゲン血症を誘発する。
'Hyperinsulinemia contributes to hyperandrogenemia in several ways.'

メトフォルミンは高インスリン血症を改善し、血中テストステロン値を20-25%低下させる。PCOSの多毛症 hirsutism を改善させない。

メトフォルミンは、排卵機能を改善させるかもしれない。ランダマイズドプラセボコントロールのメタアナリシスで、メトフォルミンは妊娠率を上げるが、live birth rateは上げない。
メトフォルミンは無排卵性不妊 anovulatory infertility のファーストライン薬ではない。
メトフォルミンは、耐糖能異常、2型糖尿病のあるPCOSでライフスタイル介入に十分反応しない症例に用いる。
経口避妊薬は、gonadotropin 分泌を抑制する。

PCOSでは、糖負荷試験を1から5年に1回チェックする。

McCartney CR, Marshall JC. CLINICAL PRACTICE. Polycystic Ovary Syndrome.N Engl J Med. 2016 Jul 7;375(1):54-64.

生下時低体重のリスクアリルを持つ低体重は、2型等発症リスクが増加する

生下時体重に関連する7つのSNPsが知られている。このうちADCY5、CDKAL1は2型糖尿病との関連が指摘されている。

他の5つのSNPsより算出したgenetic risk score (GRS) および個々のSNPs と2型糖尿病の関連を検討した。
さらにMendelian randomization analysisで、2型糖尿病に対する生下時低体重の potential causal effect size を解析した。

GRSが1ポイント上昇するごとに2型糖尿病リスクは6%増加する。

CCNL1 rs900400、5q11.2 rs4432842 は、2型糖尿病と、dose–response association を認めた。

Mendelian randomization analysis で、genetically determined birth weight の1SD 低下に対する2型糖尿病のオッズ比は、2.94となった。

低体重だけでは2型糖尿病のリスクとならないかもしれないが、子宮内発育に影響する状況にさらされることが2型糖尿病の発症原因となるのかもしれない。

“Notably, birthweight itself may not be an exposure relevant to type 2 diabetes; instead, the exposures influencing intrauterine growth are more likely to play a causal role in the development of the disease."

Wang T et al. Low birthweight and risk of type 2 diabetes: a Mendelian randomization study Diabetologia 2016 Sep;59(9):1920-7
プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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