SGLT2阻害薬は、尿細管糸球体フィードバックを正常化する。

SGLT2阻害薬は、macula densa のナトリウム濃度を上昇させ、尿細管糸球体フィードバックを正常化する。

まとめ
SGLT2は、近位尿細管でグルコースとナトリウムを1:1 で再吸収する。

高血糖状態では、macula densa でナトリウム濃度が低下するため尿細管糸球体フィードバックが抑制される。その結果、輸入細動脈が弛緩し糸球体過剰濾過となる。

SGLT2阻害薬により、macula densaのナトリウム濃度が上昇し、尿細管糸球体フィードバックが正常化する。 輸入細動細動脈弛緩は元に戻る。レニン放出は抑制される。

RAS阻害薬は、輸出細動脈を輸入細動脈に比べ弛緩させるので、糸球体後負荷、濾過圧を低下させる。
RAS阻害薬とSGLT2阻害薬は、糸球体濾過圧を低下させ、長期的な腎保護作用をもたらす。

Nephron Protection in Diabetic Kidney Disease N Engl J Med 2016; 375:2096-2098

リナグリプチンは、糖尿病性腎症モデルマウスでSDF-1を増加させる。

リナグリプチンが、SDF-1増加を介して糖尿病性腎症に対し腎保護作用を示すという報告です。

まとめ
糖尿病性腎症モデルマウスで、腎臓のcell-derived factor-1 (SDF-1)発現は増加している。 
リナグリプチン投与で、糖尿病性腎症モデルマウスのpodocyte、遠位ネフロンで、SDF-1発現がさらに増加する。 
Glp1r(+ / +)糖尿病傾向マウスにおいて、リナグリプチンにより、アルブミン尿症や糸球体硬化症が改善する。さらにナトリウム排泄が亢進し、糸球体過剰濾過の増加速度を減弱させた。 
SDF-1受容体阻害薬は、Glp1r(+ / +)糖尿病傾向マウスにおける尿中ナトリウム排泄および糸球体高血圧を低下させた。

SDF-1は、臓器障害の際に、間質細胞、内皮細胞から分泌され、幹細胞/前駆細胞を集結させる。 

Takashima S, et al. Stromal cell-derived factor-1 is upregulated by dipeptidyl peptidase-4 inhibition and has protective roles in progressive diabetic nephropathy. Kidney Int. 2016.

Anderluh M et al. Cross-talk between the dipeptidyl peptidase-4 and stromal cell-derived factor-1 in stem cell homing and myocardial repair: Potential impact of dipeptidyl peptidase-4 inhibitors. Pharmacol Ther. 2016

完全なインスリン欠乏状態は、グルカゴン受容体の不活化で改善されない。

グルカゴン受容体を発現しないマウスで、streptozotocin を投与し、β細胞を減少させても糖尿病を発症しない。しかし、インスリンとグルカゴン受容体を発現しないマウスで、血糖値は改善するが、生存期間は延びない。

まとめ
インスリンとグルカゴン受容体をともに欠失したマウス(GcgrKO/InsKO)では、インスリン欠失、グルカゴン受容体ヘテロ欠損マウス(GcgrHet/InsKO)に比べ、血糖値とケトン体値は改善するが、生存期間は6日間で同等であった。

レプチン値、中性脂肪、脂肪酸、肝臓のコレステロール蓄積を正常化することはなかった。

インスリンの完全な欠乏状態は、グルカゴン受容体の不活化によって回復されることはない

Neumann UH, et al. Glucagon receptor gene deletion in insulin knockout mice modestly reduces blood glucose and ketones but does not promote survival. Mol Metab. 2016.

CGMとSMBGの比較 (IN CONTROL)

 1型糖尿病52人、CGMとSMBGを16週間使用の比較。CGM使用期間で、正常血糖値に入る時間が長く低血糖の時間が少なく、重症低血糖の頻度は少なかった。

まとめ
1型糖尿病52人、CGMとSMBGの比較、CGM-SMBGあるいはSMBG-CGMの順で、12週間ウォッシュアウトを挟んで16週間介入する。
CGM期間はParadigm Veo system、MiniLink transmitter、Enlite glucose sensor を使用する。SMBG期間はリアルタイムで血糖値を表示しないiPro2を装着する

CGM期間で、正常血糖値に入る時間が長く、180 mg/dl をこえる時間、70mg/dl以下となる時間が短い
重症低血糖はCGMで少ない。(14 events vs. 34 events, p=0·033)
CGMとSMBGで、self-reported hypoglycaemia awareness scoresは変わらなかった。
正常血糖値に入る時間は、CGMとインスリン頻回注射、カーボカウンティングの有無には関係しなかった。

重症低血糖、無自覚低血糖を減らす方法として、患者教育 (DAFNE、BGAT)、インスリン頻回注射からCSIIへの切り替えでエビエンスが示されており、CGMよりコストがかからない。

van Beers CA et al. Continuous glucose monitoring for patients with type 1 diabetes and impaired awareness of hypoglycaemia (IN CONTROL): a randomised, open-label, crossover trial Lancet Diabetes Endocrinol. 2016 Nov;4(11):893-902

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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