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α細胞の酸性化により糖尿病のグルカゴン分泌異常が生じる

糖尿病のα細胞では、高血糖のため sodium-glucose transporter (SGLT) を介してナトリウムが流入、sodium-proton exchangers (NHEs) が抑制され細胞内pHが低下する。その結果、ATP産生が低下しグルカゴン分泌障害が認められる。

まとめ
マウスの膵島で、グルコース1mMに対してグルコース6mMではグルカゴン分泌が抑制される。糖尿病マウスではグルコース6mMでのグルカゴン分泌が抑制されない。
α細胞でグルカゴン分泌の抑制にはKATP channelの抑制(閉鎖)が必要だが、糖尿病マウスのα細胞では、ATP/ADPが低いため、KATP channelの活性が高くグルカゴン分泌が抑制されない。

なぜ糖尿病のα細胞でATP/ADPが低下するのか。ミトコンドリアのマトリックスはアルカリ性であり、Krebs cycle enzyme は、pHが高い時に最大の catalytic activityを発揮する。糖尿病モデルマウスでは、α細胞内のpHが低下が認められ、その結果 ATP/ADPが低下している。

細胞内のpHはNHEs により調整されている。NHEs の抑制は、細胞内pHを低下させる。SGLT は、グルコース依存性ナトリウム取り込みglucose-dependent Na+ uptake に重要な役割をはたしている。代謝されないSGLTの基質であるa-methyl-D- glucopyranoside 19 mMは、グルコース1mMの条件下のα細胞で細胞内ナトリウム濃度を上昇させ、その効果はフロリジン phlorizin により抑制される。

ワイルドタイプマウス膵島で、グルコース11-12mMあるいはグルコース20mM 48時間培養で、α細胞内のpHおよびグルコース20mM刺激によるATP/ADP上昇 [ATP/ADP]i を比較した。グルコース20mM、48時間培養した膵島では、α細胞内pHは低下し、グルコース20mM刺激による [ATP/ADP]i の上昇が少なく、グルカゴン分泌が抑制されない。フロリジンを添加したグルコース20mM培養で、α細胞のpH低下、グルコース刺激による[ATP/ADP]i は改善し、グルカゴン分泌抑制が認められる。

β細胞では高グルコース培養による細胞内pH低下は認められず、α細胞とβ細胞でpHコントロールのメカニズムは異なっている。

Knudsen JG at al. Dysregulation of Glucagon Secretion by Hyperglycemia-Induced Sodium-Dependent Reduction of ATP Production. Cell Metab. 2019 Feb 5;29(2):430-442

インスリンは、δ細胞のSGLT2を介してソマトスタチン分泌を促進しグルカゴン分泌を抑制する。

インスリンは、δ細胞のSGLT2を介してソマトスタチン分泌を促進しグルカゴン分泌を抑制する。SGLT2阻害薬はインスリンによるソマトスタチン分泌を抑制しグルカゴン分泌を増加させる。

まとめ
マウスの膵島でインスリン 100nMはグルコース4mMの条件下で、インスリンが無い場合にくらべソマトスタチンを増加させグルカゴンを減少させる。
ワイルドタイプのマウスで膵灌流モデル perfumed pancreas model で、外因性のインスリンはグルカゴン分泌に影響しない。
膵島内の内因性インスリンによりグルカゴン分泌は充分に抑制されている。灌流膵モデルでインスリン受容体拮抗薬S961によりグルカゴン分泌は増加する。
高血糖となる糖尿病マウスでは、膵灌流モデルでインスリン100nMにより、グルカゴン分泌は抑制される。ソマトスタチン受容体拮抗薬によりインスリンによるグルカゴン分泌は消失しグルカゴン値が増加する。

インスリンはδ細胞の細胞内カルシウム濃度[Ca2+]i を増加させる。インスリン添加により[Ca2+]i oscillation のfrequency とamplitude が増加した。
ナトリウム10 mMの条件下あるいはGLT2阻害薬 dapagliflozin 添加で、インスリンによるソマトスタチン分泌促進は認められず、グルカゴンは変化しない。
dapagliflozinは、インスリン 100 nM、グルコース 4 mMの条件下で、δ細胞のaction potential firing を抑制する。
代謝されないグルコースアナログ α-methyl-D-glucopyranoside (αMDG)19mMとグルコース1mM ではaction potential firing が起こらない。インスリン添加でaction potential firing が記録された。

マウスのインスリン負荷試験で、dapagliflozin 腹腔内注射群ではコントロールに比べ血糖値低下に有意差はないが、グルカゴン分泌量は多い。

δ細胞におけるSGLT2の発現は、免疫組織学的にマウスで58%ヒトで33%に認められた。

ソマトスタチンの分泌は、高カリウム刺激、トルブタミドにより増加する。インスリンはこれらの分泌刺激をさらに増強することはない。

δ細胞のグルコースセンシングとソマトスタチン分泌
<SGLUTを介したNa+流入と細胞膜の脱分極>
ソマトスタチン分泌は Ca2+-induced Ca2+ release (CICR) による。SGLT2を介してNa+依存性にグルコースが取り込まれ、わずかな脱分岐電流 small depolarizing current が生じる。カルシウムチャンネルから細胞内にカルシウムが流入し、小胞体のリアノジン受容体が活性化され、細胞内カルシウム濃度が増加(Ca2+-induced Ca2+ release, CICR)、ソマトスタチンが分泌される。

<グルコース代謝とKATPチャンネル閉鎖による脱分極>
δ細胞にSGLT2、GLUT1、GLUT3が発現しこれらの受容体がグルコース取り込みの99%を担っている。SGLT2受容体にくらべGLUT1、GLUT3の発現量は多い。いくつかの細胞では、充分なSGLT2受容体が発現している。グルコース代謝によりATP/ADP が上昇、 KATP チャネルが閉鎖、膜の脱分極が起こりカルシウムチャネルからカルシウムが流入、CICR によりソマトスタチンが分泌される。

Vergari E et al. Insulin inhibits glucagon release by SGLT2-induced stimulation of somatostatin. Nat Commun. 2019

中枢性のグルカゴン分泌制御

AMPK
視床下部視床下部腹内側核 (ventromedial hypothalamus, VMH) のAMP-activated protein kinase (AMPK) 活性化は、急性低血糖時のエピネフェリン、グルカゴンの反応を増強する。コルチゾール corticostrone の反応に影響しない。
VMHに発現するAMPKは、低血糖を検知し、counterregulatory response に重要な役割をはたしている。

Fgf15
2-deoxyglucose (2-DG) は自律神経を介してインスリン分泌を促進し、神経性低血糖 neuroglycopenia となりグルカゴン分泌を誘発する。2-DG を用いた視床のスクリーニングにより、Fgf15が見出された。
Fgf15 は、視床下部背内側部 (dorsomedial hypothalamus)、視床下部脳弓周囲野(perifornical area)に発現する。
Fgf15の脳室内投与はneuroglycopenia による迷走神経の活性化とグルカゴン分泌を抑制し、Fgf15のsilencing は血中グルカゴン分泌を促進する

McCrimmon RJ et al. Key role for AMP-activated protein kinase in the ventromedial hypothalamus in regulating counterregulatory hormone responses to acute hypoglycemia. Diabetes. 2008 Feb;57(2):444-50. Epub 2007 Oct 31.

Picard A et al. A Genetic Screen Identifies Hypothalamic Fgf15 as a Regulator of Glucagon Secretion Cell Rep. 2016 Nov 8;17(7):1795-1806.
 

1型糖尿病のグルカゴン分泌不全

1型糖尿病で、低血糖時のグルカゴン反応が不十分で、食事に反応したグルカゴン反応が不適当 Inappropriate である。その原因として以下が挙げられている。

神経系でグルコース濃度検知不全 (Defects in neural glucose sensing)
膵島の交感神経の減少 (Impaired islet innervation)
膵島内インスリン欠乏 (Intra-islet insulin deficiency)
α細胞の機能不全 ( Intrinsic α cell defects)

Brissova M et al. α Cell Function and Gene Expression Are Compromised in Type 1 Diabetes. Cell Rep. 2018 Mar 6;22(10):2667-2676
1型糖尿病のα細胞で MAFB、ARX、RFX6やカルシウムチャネルの転写が低下している。膵島のグルカゴン陽性細胞はコントロールに比べ増加している。グルカゴン含量で補正したグルカゴン分泌は、グルコース300mg/dl 30分後、グルコース100 mg/dl で、コントロールに比べ反応が少ない。

Mundinger TO et al. Human Type 1 Diabetes Is Characterized by an Early, Marked, Sustained, and Islet-Selective Loss of Sympathetic Nerves. Diabetes. 2016 Aug;65(8):2322-30.
1型糖尿病の膵島で、交感神経の喪失が認められるが、2型糖尿病では認められない。
膵島での交感神経の喪失が1型糖尿病でインスリンによる低血糖の原因の一つである。

1型糖尿病のα細胞機能と遺伝子発現

ヒト1型糖尿病α細胞では、α細胞に特異的な転写因子、L型およびP/Q型カルシウムチャネルの発現が低下していた。グルカゴン陽性細胞が多いが、グルカゴン含量あたりのグルカゴン分泌反応は正常と異なる。α細胞の機能低下が1型糖尿病のグルカゴン分泌異常の原因であるかもしれない。

まとめ
ヒト1型糖尿病の膵島ではグルカゴン陽性細胞がコントロールに比べ~2倍増加している。
グルコース300mg/dl 30分後、グルコース100 mg/dl で、グルカゴン含量で補正した膵島のグルカゴン分泌はコントロールに比べ反応が少ない。

α細胞では、α細胞に特異的的なMAFB、ARX遺伝子発現は低下、通常β細胞に発現するNKX6.1遺伝子発現が増加していた。転写因子RFX6やカルシウムチャネルの転写も低下している。
RFX6はβ細胞でL型およびP/Q型カルシウムチャネル(CACNA1A、CACNA1C、CACNA1D)、KATP channel のサブユニットである sulfonylurea receptor 1 (ABCC8) の発現を制御している。 転写因子の発現低下によりグルカゴン分泌に関わる分子が抑制され、グルカゴン分泌が生じている可能性がある、

ヒト1型糖尿病の膵島で残存したβ細胞の機能は保たれている。
β細胞でPDX-1、NKX6.1、NKX2.1の発現はコントロールと同等、MAFAは低下している。
インスリン含量で補正したグルコースに対するインスリン分泌能は正常者と同等であった。

α細胞にNkx6.1 が発現していたことから、α-to-β conversion 検討するため、1型糖尿病患者の膵島を免疫不全マウスに移植した。移植後1カ月後、GLP-1アナログを注射しβ細胞の成熟と増殖を促したがヒトインスリンは検出できず。
ARX陽性細胞は増加、Nkx6.1陽性細胞は減少、Non-autoimmune environment では、α細胞のアイデンティティが回復された。ヒトの膵島で、α-to-β conversion は very rare event である。

1型糖尿病で、低血糖時のグルカゴン反応が不十分で、食事に反応したグルカゴン反応が不適当 Inappropriate である。α細胞機能障害 (intrinsic α cell defect)も原因の一つかもしれない。

Brissova M et al. α Cell Function and Gene Expression Are Compromised in Type 1 Diabetes. Cell Rep. 2018 Mar 6;22(10):‪2667-2676‬

Chandra V et al. RFX6 regulates insulin secretion by modulating Ca2+ homeostasis in human β cells. Cell Rep. 2014 Dec 24;9(6):2206-18
RFX6 は、ヒトのβ細胞でインスリン遺伝子発現とインスリン含量および分泌を制御している。
RFX6 knockdown したヒトβ細胞ではでは、P/Q calcium channel (CACNA1A)、L-type calcium channel (CACNA1C、CACNA1D) の発現が低下し、カルシウムホメオスタシスや電気的活性化が障害される。さらにグルコキナーゼ、SUR1 (ABCC1)遺伝子の発現も低下していた。

 

α細胞のグルコキナーゼはグルカゴン分泌を制御する。

低血糖時のグルカゴン分泌は主に自律神経が関与する。
α細胞自身においてもグルカゴン分泌制御機構が存在している。

グルコースによるグルカゴン分泌抑制
グルコースによる ATP/ADP ratio 上昇
ATP-regulated K (
KATPchannel の閉鎖
膜の脱分極
Voltage-gated Na+ channel の不活化
活動電位発火 action potential firing の抑制
カルシウム流入を担うP/Q Ca2+ channel 活性の低下

α細胞のグルコキナーゼは正常血糖、高血糖でのグルカゴン分泌抑制を担っている。
α細胞特異的にグルコキナーゼをノックアウトしたマウスで、食餌後のグルカゴン値が高く、肝臓でPEPCK、G6Pの遺伝子発現が上昇し肝糖産生が増加している。
α細胞では通常、グルコース1mMに比較しグルコース 6mMでは、ATP/ADP 比が上昇、活動電位のピークが減少し、グルカゴン分泌が抑制される。
このマウスのα細胞ではATP/ADP 比の上昇が抑制され、活動電位のピークが低下せず、グルカゴン抑制が認められない。

トルブタミドは、グルコース濃度やATP/ADP比の変化と独立してKATP channel を閉鎖させる。
コントロール、ノックアウトマウスともグルコース1mMでトルブタミドによるグルカゴン分泌抑制が認められる。

Basco D et al. α-cell glucokinase suppresses glucose-regulated glucagon secretion. Nat Commun. 2018 Feb 7;9(1):546.

Rorsman P1, Ramracheya R, Rorsman NJ, Zhang Q. ATP-regulated potassium channels and voltage-gated calcium channels in pancreatic alpha and beta cells: similar functions but reciprocal effects on secretion. Diabetologia. 2014 Sep;57(9):1749-61.

GABAとα細胞

GABA受容体活性化により、β細胞でクロライドが流出、α細胞でクロライドが流入する。
TypeA GABA受容体 (GABAAR) は、α細胞、β細胞ともに発現している。
他のクロライド流入型 (chloride-intruding)、クロライド排出型 (chloride-extruding)トランスポーターの発現の違いから、細胞内クロライド濃度は、β細胞で高く、α細胞では低い。
GABAARの活性化により、β細胞でクロライドが流出し、細胞膜の脱分極によりカルシウムが流入、インスリン分泌が促進される。
α細胞では、GABAARの活性化により、クロライドが流入し、膜の過分極によりカルシウム流入が抑制され、グルカゴン分泌が低下する。1)

インスリンはGABAARのトランスロケーションを介してグルカゴン分泌を抑制する。
インスリンは、α細胞で、インスリン受容体を介してAktを活性化し、GABAAR を細胞膜にトランスロケーションさせる。インスリンはGABAAR 活性化によりグルカゴン分泌を抑制する。2)

1型糖尿病モデルマウスでは、GABAシグナルが低下、mTORが活性化するため、α細胞が増殖する。
STZ処置したマウスのβ細胞で、GADとGABARの発現が低下、α細胞ではGABARの発現は低下しない。
β細胞から分泌されるGABAが低下するため、GABA受容体を介したCl-の流入が減少、Ca2+の流入が増加、mTORが活性化し、α細胞が増殖する。
STZ処置マウスへのGABA投与は、α細胞の細胞質内カルシウム濃度とp-mTOR 活性を低下させ、STZ処置後のα細胞の増殖を抑制する。

1) Feng Alte al. Paracrine GABA and insulin regulate pancreatic alpha cell proliferation in a mouse model of type 1 diabetes Diabetologia. 2017 Jun;60(6):1033-1042. doi: 10.1007/s00125-017-4239-x. 

2) Xu E, Kumar M, Zhang Y, Ju W, Obata T, Zhang N, Liu S, Wendt A, Deng S, Ebina Y, Wheeler MB, Braun M, Wang Q. Intra-islet insulin suppresses glucagon release via GABA-GABAA receptor system.Cell Metab. 2006 Jan;3(1):47-58.


グルカゴン分泌とSGLT2

 α細胞では、グルコース濃度が低くKATP channel活性が抑制されず、チャネルが開いた状態で、P/Q-type Ca channelが開き、グルカゴンが分泌される。

まとめ
α細胞で、グルコースが取り込まれATP/ADP比が変化しKATP channel がコントロールされる。
低濃度グルコースでKATP channel 活性は低めで完全に抑制されず、P/Q-type Ca channel が開きカルシウムが流入し、グルカゴンが分泌される。
高濃度グルコースで
KATP channelは完全に抑制され、P/Q-type Ca channel 活性は抑制されグルカゴン分泌は減少する。
1, 2)

"ATP-sensitive potassium (KATP) channel. In the presence of low levels of glucose, the activity of the KATP channel is low, which allows Ca2+ entry through P/Q-type channels, resulting in glucagon secretion. At high glucose concentrations, the activity of the KATP channel is fully suppressed, preventing the activation of P/Q-type Ca2+ channels and thereby reducing glucagon secretion." 1)


これまでα細胞のグルコース取り込みはGLUT1が担っていると考えられていた。1)
最近、α細胞に、SGLT1、SGLT2が発現していることが明らかになった。3)

2型糖尿病ではSGLT2発現が低下しグルカゴン発現が増えている。

SGLT2 阻害薬ダバグリフロジンは、単離ヒト膵島、マウス膵島でグルカゴン分泌を促進する。

マウスにダバグリフロジを投与すると血中グルカゴン値の上昇が認められる。

ダパグリフロジンにより分泌が亢進したグルカゴンは、tolbutamide により抑制される。

Thorens らは1)、SGLT1、GLUT1というcotransporterが存在するにもかかわらず、SGLT2の阻害が、なぜグルカゴン分泌に結びつくのかという疑問を呈しています。

追記(2015/11/12)
KATP channel からみたインスリンおよびグルカゴン分泌 4)
ATP/ADP比上昇により、KATP channel が抑制され閉じる。
 ↓             
α細胞            β細胞
グルカゴン分泌抑制     インスリン分泌惹起

KATP channel を閉じるトルブタミドはSGLT2阻害薬によるグルカゴン分泌を抑制する。


1. Hattersley AT, Thorens B. Type 2 Diabetes, SGLT2 Inhibitors, and Glucose Secretion. N Engl J Med. 2015 Sep 3;373(10):974-6. doi: 10.1056/NEJMcibr1506573.

2. Zhang Q, Ramracheya R, Lahmann C, Tarasov A, Bengtsson M, Braha O, Braun M, Brereton M, Collins S, Galvanovskis J, Gonzalez A, Groschner LN, Rorsman NJ, Salehi A, Travers ME, Walker JN, Gloyn AL, Gribble F, Johnson PR, Reimann F, Ashcroft FM, Rorsman P. Role of KATP channels in glucose-regulated glucagon secretion and impaired counterregulation in type 2 diabetes. Cell Metab. 2013 Dec 3;18(6):871-82.

3. Bonner C et al. Inhibition of the glucose transporter SGLT2 with dapagliflozin in pancreatic alpha cells triggers glucagon secretion. Nat Med. 2015 May;21(5):512-7.

4. α細胞では、KATP channel の閉鎖がグルコースによるグルカゴン抑制に重要

5. ATP 感受性K+(KATP)チャネル制御の 機能構造的理解 薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)126,311~316(2005)



α細胞では、KATP channel の閉鎖がグルコースによるグルカゴン抑制に重要

α細胞で、グルコースが代謝され、ATP/ADP 比が上昇し、KATP channelが抑制(閉鎖)されることが、グルコースによるグルカゴン分泌抑制に必要であることが示されている。(Zhang Q et al., Cell Metab. 2013)

その根拠として
① Mannoheptulose は、グルコースのリン酸化を抑制する。
単離したα細胞で、Mannoheptulose 添加すると、グルコース1 mMに比べた、6 mMでのグルカゴン分泌抑制がみとめられなくなる。
② Mitochondrial uncoupler、FCCP添加でも同様である。
③ Torbutamideが、グルカゴン分泌を抑制し、Diazoxide がその効果を打ち消す。
 
α細胞で、KATP channelの閉鎖が、グルカゴン分泌抑制となる理由
α細胞の活動電位は、voltage-gated Na + channel に依存している。
グルコースによりKATP channelが抑制され、membrane depolarizationが生じ、voltage-gated Na + channel の活動電位高さが抑制される。
 
グルカゴン分泌 (exocytosis) は、voltage-gated Ca channel を介したカルシウム流入に依存している。
voltage-gated Na + channel の活動電位高さが抑制された結果、voltage-gated Ca channelが inactivate される。
 
KATP channel の閉鎖は、β細胞でインスリン分泌となり、α細胞でグルカゴン分泌抑制となる。
KATP channel はそれぞれの細胞で別々の役割 (dual role) を担う。
 
生理的には、インスリンとソマトスタチンのパラクラインによるグルカゴン分泌抑制も重要である。
SSRT2 agonist はグルカゴン分泌を抑制する。
β細胞から分泌されるGABAもグルカゴン分泌を抑制する。
 
Zhang Q, Ramracheya R, Lahmann C, Tarasov A, Bengtsson M, Braha O, Braun M, Brereton M, Collins S, Galvanovskis J, Gonzalez A, Groschner LN, Rorsman NJ, Salehi A, Travers ME, Walker JN, Gloyn AL, Gribble F, Johnson PR, Reimann F, Ashcroft FM, Rorsman P. Cell Metab. 2013 Dec 3;18(6):871-82.  Role of KATP channels in glucose-regulated glucagon secretion and impaired counterregulation in type 2 diabetes.

感想
電気生理の実験結果が難解でした。KATP channel がα細胞とβ細胞で役割を変えている点が興味深い点です。
この論文のauthor、Rorsman 先生が5月の糖尿病学会で、グルカゴンルネッサンスのセッションで講演されます。
 
 



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α細胞に対するGLP-1の直接作用

アログリプチン(ネシーナ)の講演会では、インクレチン関連薬の発売以後、グルカゴン抑制効果について注目されていました。α細胞のGLP-1受容体はβ細胞の0.2%程度で、発現量が少ないものの、GLP−1はインスリン、ソマトスタチンとは独立して、グルカゴン分泌を抑制することが報告されていました。

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プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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