DPP4は脂肪細胞から分泌されるAdipokineで、インスリン抵抗性を惹起する。

脂肪細胞 (adipocyte) はpreadipocyte, macrophage に比べDipeptidyl Peptidase 4 (DPP4) を分泌している。
DPP4を脂肪、骨格筋、平滑筋に添加すると、インスリンによるAkt リン酸化を阻害する。→インスリン抵抗性をおこす。

やせた人より、肥満者でDPP4の血中濃度が高い。肥満者では、皮下脂肪より内蔵脂肪にDPP4の発現が多い。
やせた人では、皮下脂肪と内蔵脂肪でDPP4の発現の差はない。肥満手術により体重が減ると、DPP4の血中濃度も正常となる。

DPP4は新規のadipokine であり、autocrine、paracrine にインスリン抵抗性を惹起する。
脂肪細胞特異的にDPP4を欠損させたマウスを現在作成中。
 
感想
アログリプチンの講演会に行って知った論文です。2011年の論文で新しくないですが、講演会にいってはじめて知りました。DPP4阻害薬が、抗動脈硬化作用を示す理由の一端となると思います。
メタ解析で、DPP4阻害薬は心血管イベント抑制も示しているということです。
 
Dipeptidyl Peptidase 4 Is a Novel Adipokine Potentially Linking Obesity to the Metabolic Syndrome Diabetes July 2011 vol. 60 no. 7 1917-1925 

 
 

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DPP-4の総説

Diabetes 4月号には、インクレチンがcardioprotective であることを示す論文が出ていて、もう少し基礎知識を増やさないと理解できないので、孫引きしたDPP-4の総説へ。

1DPP-4は、リンパ球に発現するCD26 と同一のもの。

2. 生理学的にはGLP-1GLP-2 GIPSDFSDF-1α/β、Substance P に作用。

3. DPP-4は、GLP-1(7-36) amide GLP-1(9-36) amideへ変換。GLP-1(9-36) amideは、犬で心保護作用が示されていた。拡張型心筋症を誘発した犬で、心筋の糖取り込みと左心室機能を回復したということです。


“Remarkably, GLP-1(9-36) amide increased myocardial glucose uptake and improved left ventricular function in dogs with panching-induced dilated cadiomyopathy.”

Dipeptidyl peptidase-4 inhibition and the treatment of type 2 diabetes: preclinical biology and mechanisms of action. Drucker DJ. Diabetes Care. 2007 Jun;30(6):1335-43.

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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