チアゾリジン系薬剤と糖尿病性黄斑浮腫

103368人のretrospective cohort study、期間は10年( January 1, 2000, through November 30, 2009.)

チアゾリジン系薬剤使用で、糖尿病性黄斑浮腫のオッズ比は、1年後、10年後ともに2.3倍。

インスリンとチアゾリジン系薬剤の併用でハザード比3.0と高くなる。
アスピリン、ACE阻害薬との併用で、それぞれハザード比0.6、0.4と黄斑浮腫のリスクを下げる。

チアゾリジン系薬剤は網膜でVGEFの発現を上昇させ、内皮細胞の透過性を上げるという報告がある。2)3)

感想
アスピリン、ACE阻害薬は黄斑浮腫に良い効果がある。
インスリンとチアゾリジン系の併用は体の浮腫を起こしやすいのは以前から言われていたと思います。引用されていたのは4)


2.Troglitazone treatment increases plasma vascular endothelial growth factor in diabetic patients and its mRNA in 3T3-L1 adipocytes.  Diabetes. 2001;50(5):1166-1170
 


5.バセドウ眼症とチアゾリジン誘導体
チアゾリジン誘導体は、脂肪細胞の分化と増殖を促進し、バセドウ眼症による眼球突出を悪化させるという報告もある



テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

糖尿病網膜症のレビュー2

糖尿病性網膜症が、Neurovascular unitのdamage という視点で書かれていて目新しかった。 VGEF がPKCを介して血管透過性をあげるため、網膜症の治療薬としてPKC阻害薬が第3相試験にはいっているということでした。

続きを読む

テーマ : 日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

糖尿病性網膜症に対する光凝固術のレビュー

糖尿病性網膜症に対する光凝固術のレビューです。黄斑浮腫が存在すると、光凝固術により黄斑浮腫が悪化し視力が低下することが注意点として強調されています。レーザの焦点を合わせるため、ゲルとコンタクトレンズを入れて行っているということでした。

続きを読む

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

糖尿病性網膜症の治療(糖尿病眼合併症研究会)

糖尿病眼科研究会に行ってきました。VEGF Trap-Eye 治療と閾値下マイクロパルス光凝固が新しい治療として紹介されていました。講演と、成書でまとめをつくりました。

続きを読む

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

糖尿病性網膜症と抗VEGF抗体療法

糖尿病眼合併症学会続きです。女子医大眼科掘先生の御講演で、眼科内注射の位置づけが分かり、勉強になりました。
抗VEGF抗体療法が、眼に優しい治療として紹介されていました。抗VEGF療法が注目された論文は2004年のものなのでまだ治療の歴史としては浅い。

続きを読む

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

ACCORD Eye trial ―血糖コントロールとフェノフィ ブラートは網膜症進展を予防する。

ACCORD study 10251 人のうち、2856人がACCORD eye trialへ。
7枚の立体眼底写真を撮影し、網膜症をETDRS Severity Scale で評価した。


続きを読む

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

糖尿病性網膜症に血糖の閾値はない。

眼底カメラの発達で、網膜症の診断技術が上がり、糖尿病診断手前の人にも網膜所見があることが明らかになっているようです。2008年Lancetの論文では、「大血管症は血糖の閾値がないとされており、網膜症についても同様である。」と指摘されていました。

続きを読む

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

糖尿病性網膜症とRAS阻害薬

2008年にカンデサルタンのDIRECT study では、1型糖尿病で網膜症の新規発症予防効果、2型糖尿病でmild からmoderately sever な網膜症の進展予防効果を示していたが、カンデサルタン32mg/日と容量が多かったので、通常容量ではどうなのかと思っていました。

1型糖尿病、網膜症なし、正常血圧、正常尿アルブミン尿の症例で、ロサルタン
100mg、エナラプリル20mgで網膜症新規発症予防効果を示しています。

RAS阻害薬は、血圧と独立して、網膜症新規発症防があるようです。Angiotensin II の作用を眼で直接ブロックするメカニズムが想定されています3)。

2型糖尿病

1) Effect of candesartan on progression and regression of retinopathy in type 2 diabetes (DIRECT-Protect 2): a randomised placebo-controlled trial.  Lancet 2008; 372: 1385 – 1393

正常アルブミン尿、正常血圧か高血圧治療中でmildからmoderately sever retinopathy ある症例
4.7年のフォローアップで、カンデサルタン32mg/日は、13%の網膜症進展リスク減少を認めた。

1型糖尿病、
2) Effect of candesartan on prevention (DIRECT-Prevent 1) and progression (DIRECT-Protect 1) of retinopathy in type 1 diabetes: randomised, placebo-controlled trials
. Lancet 2008; 372: 1394 – 1402

正常血圧、正常アルブミン尿、網膜症なし
―prevent 1、網膜症あり―protect 1
新規発症予防効果は18%のリスク減少をみとめたが、すでに発症した網膜症の進展予防効果なし。

3) Renal and Retinal Effects of Enalapril and Losartan in Type 1 Diabetes. N Engl J Med 2009;361:40-51.
http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/361/1/40

正常血圧
正常アルブミン尿、網膜症なし
血圧の変化とは独立して、重症度分類の2段階以上悪化抑制効果はエナラプリル65%、ロサルタン70%でであった。

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

最新記事
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
68位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
12位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム