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経口セマグルチドとリラグルチド、dulaglutide の比較試験 PIONEER9、PIONEER 10

経口GLP-1作動薬セマグルチドは、タンパク質分解や酸性の環境でも生物学的利用能 bioavailability が充分得られるようabsorption enhancer をタブレット内に配合している。
経口セマグルチド14mgでは、リラグルチド0.9mg/day、dulaglutide 0.7mg/week に比べ26週後A1Cが、0.3%低く、体重は低下する。

PIONEER9
食事運動療法か経口薬単独療法の2型糖尿病でプラセボ、リラグルチド0.9mg /day、経口セマグルチド1日1回服用の比較試験
26週後、経口セマグルチドでは容量依存性にA1C低下を認める。
26週間後、プラセボとのA1Cの差
リラグルチド0.9mg     -1.4%
経口セマグルチド
3mg    -1.1%
7mg      -1.5%
14mg    -1.7%
経口セマグルチド14mg vs.リラグルチド0.9mg /day -0.3% p=0.0272
52週後、セマグルチド14mg とリラグルチドのA1Cは有意差なし。
体重はセマグルチドの方がリラグルチド0.9mgより低下させる。
(26週後、セマグルチド7mg、14mg、52週後、セマグルチド14mg でリラグルチドとの有意差あり。)

PIONEER 10
経口薬単独療法の2型糖尿病で、dulaglutide 0.75 mg/week、経口セマグルチド1日1回服用、52週間の比較試験
ベースラインと比較したA1Cの変化
dulaglutide 0.75 mg  -1.4%
経口セマグルチド
3mg   -0.9%
7mg   -1.4%
14mg   -1.7%
経口セマグルチド14 mg vs. dulaglutide 0.75 mg -0.3% p=0.0170

ベースラインと比較した体重の変化
dulaglutide 0.75 mg +1kg
経口セマグルチド
3mg   0.0kg
7mg     -0.9kg
14mg   -1.6kg
経口セマグルチド14 mg vs. dulaglutide の体重変化の差は-2.6kg p<0.0001

1. Dose-response, efficacy, and safety of oral semaglutide monotherapy in Japanese patients with type 2 diabetes (PIONEER 9): a 52-week, phase 2/3a, randomised, controlled trial

2. Safety and efficacy of oral semaglutide versus dulaglutide in Japanese patients with type 2 diabetes (PIONEER 10): an open-label, randomised, active-controlled, phase 3a trial

経口セマグルチドとSGLT2阻害薬あるいはリラグルチドとの比較試験 (PIONEER 2, PIONEER 4)

PIONEER 2 経口セマグルチドとエンパグリフロジンの比較試験 
A1Cはセマグルチドでより低下する。体重は26週後で有意差なし、52週後セマグルチドでより低下する。

PIONEER 4 経口セマグルチド(〜14mg/day)と注射薬リラグルチド(〜1.8mg/day)の比較 
26週後、経口セマグルチドはリラグルチドに比べA1C低下で非劣性(-1.2% vs. -1.1%)、ベースラインからのA1C低下、体重はより低下する(-4.4 kg vs. -3.1kg)
得られたデーターから、経口セマグルチドと注射薬リラグルチドの治療効果はほぼ同等で、患者と医者に選択権がある

経口セマグルチドは吸収のため空腹時の服用が必要であり、朝食前にコップ半分の水で服用し、30分経過後、食事を取るように指示されている。
注射薬GLP-1受容体作動薬は週1回注射が可能なものがあり、注射薬セマグルチド週1回注射はリラグルチドよりA1Cと体重を低下させる。

Rodbard HW et al. Oral Semaglutide Versus Empagliflozin in Patients With Type 2 Diabetes Uncontrolled on Metformin: The PIONEER 2 Trial. Diabetes Care. 2019 Sep 17. pii: dc190883. doi: 10.2337/dc19-0883. [Epub ahead of print]

Pratley R et al. Oral semaglutide versus subcutaneous liraglutide and placebo in type 2 diabetes (PIONEER 4): a randomised, double-blind, phase 3a trial.Pratley R, et al. Lancet. 2019.

Holst JJ. Which to choose, an oral or an injectable glucagon-like peptide-1 receptor agonist? Lancet. 2019 Jul 6;394(10192):4-6.

経口セマグルチド週1回と心血管イベントリスク PIONEER 6

PIONEER 6試験は経口セマグルチド週1回服用とプラセボの比較試験、経口セマグルチド週1回がプラセボに比べ心血管リスクを増加させることがないかを検証するためにデザインされた。

2型糖尿病、50歳以上で心血管疾患あるいは慢性腎臓病患者、60歳以上で心血管疾患のリスクファクターのみを持つ3183人、プライマリーアウトカムは主要心血管イベント(心血管死、非致死性心血管梗塞、非致死性脳卒中)、期間の中央値15.9ヶ月

HR
主要心血管イベント 0.79
心血管死 0.49
非致死性心筋梗塞. 1.19
非致死性脳卒中 0.74

全死亡 0.51

ベースラインからの変化
プラセボvs. 経口セマグルチド
A1C -1.0 vs. -3.0 %
体重. -0.8 vs. -4.2 kg

プラセボに比べ経口セマグルチドでは消化器症状による薬の中止が多かった。
消化器症状による中止
経口セマグルチド 6.8%
プラセボ 1.6%

Husain M et al.Oral Semaglutide and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes. N Engl J Med. 2019 Jun 11. doi: 10.1056/NEJMoa1901118. [Epub ahead of print]

経口GLP-1受容体作動薬セマグルチドはシタグリプチンに比べA1Cを低下させる。PIONEER 3

経口セマグルチド  (oral semaglutide) とシタグリプチン (sitagliptin) 100mgとの比較試験(PIONEER 3)、メトフォルミン服用 (with or without sulfonylurea) に上のせで、経口セマグルチド7 mg/day、14 mg/day はシタグリプチン100mg/dayに比べ52週後のA1Cを低下させる。経口セマグルチド3 mg/day はシタグリプチンに比べベネフィットはなかった。

52週間後、シタグリプチンに比較したA1C 変化率 7mg/day -0.3%、14 mg/day -0.5%
体重変化 7 mg/day -1.6 kg、14 mg/day -2.5 kg
中止率 経口セマグルチド 3 mg/day 16.7%、7 mg/day 15%、14 mg/day 19.1%、シタグリプチン 13.1%


Effect of Add-on Oral Semaglutide vs Sitagliptin on HbA1c in Type 2 Diabetes Uncontrolled With Metformin. JAMA. Published online March 23, 2019

The Future of the GLP-1 Receptor Agonists
プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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