1型糖尿病妊婦のCGMは新生児のhealth care outcomeを改善する。

1型糖尿病妊婦のCGM 群とコントロール (masked sensor) の比較、母親の血糖値はより長く正常域に入り、新生児低血糖、NICU入室、児の入院期間が少ない。

まとめ
1型糖尿病妊婦のCGM 群とコントロール(masked sensor) の比較、primary endpointはランダム化から妊娠34週のA1Cの変化、secondary endpointは
両群とも食事前後、就寝前血糖測定を行う。

母親で
妊娠34週時、血糖値63-140 mg/dl に入る時間が長い。
ランダム化から妊娠34週のA1Cの変化は、home glucose monitoring 比べわずかに低下

新生児で
Large for gestational date の減少
NICUへ24時間以上の入室率の低下
低血糖の減少
入院期間1日短縮
が認められた。

Continuous glucose monitoring in pregnant women with type 1 diabetes (CONCEPTT): a multicentre international randomised controlled trial
 

運動中及び運動後のClosed-loopの実績

運動時のClosed-loopの使用成績、運動後の血糖値はopen-loop に比べ、血糖値70-180 mg/dl に入る時間が長い。

まとめ
病院内で、運動強度 55% of V O2max あるいは55% VO2 max と80%VO2maxの組み合わせで約40分間の運動を行う。

運動中は15分ごと、運動後2時間は30分ごとの採血、運動後4時間はbasal insulin を20%減量する。
運動を行う日の15時から翌日13時までClosed-loopでインスリンを投与し、運動は16:30 から 19:30 の間に開始する。
ソフトウエアは、laptop/tablet computer (ThinkPad) に搭載されている。

プライマリーエンドポイントである血糖値60 mg/dl 未満の時間は有意差なし。
Closed-loop では、血糖値70-180 mg/dl に入る時間が長い。
運動のプロトコールにかかわらず夜間血糖値は、93%の時間で血糖値70-180 mg/dl にはいっていた。

Closed-loop glucose control in young people with type 1 diabetes during and after unannounced physical activity: a randomised controlled crossover trial

1型糖尿病の膵臓でプロインスリンはタンパパクレベルで検出される。

1型糖尿病患者の膵臓で、インスリンとCペプチドはほとんど検出できないが、プロインスリンはタンパクベルで検出できる。 インスリンmRNAも認められる。

インスリン遺伝子の転写の際にみとめられる INS-IGF2のmRNAや、heterogenous nuclear RNAは検出されないため、インスリンプロモーターは silent な状態である。

インスリンは、プロインスリンからPCSK1、PCSK2、CPEにより生成される。
グルカゴンは、α細胞でPCSK2、CPEにより生成される。PCSK1は、α細胞には存在しない
1型糖尿病患者の膵臓で、PCSK1は低下、PCSK2とCPEは有意差なし。
PCSK1の低下はプロインスリンの存在を支持する結果である。

Persistence of Pancreatic Insulin mRNA Expression and Proinsulin Protein in Type 1 Diabetes Pancreata

1型糖尿病で、異なるopen reading frame で読み込まれたインスリン遺伝子由来のペプチドが抗原性をしめす。

 インスリン遺伝子がリボゾームで異なるopen reading frameで読み込まれ生じたタンパク(defective ribosomal products, DRiP) は、プロテアソームで分解されペプチドとなりendoplasmic reticulum に移動する。このペプチドはMHC class I のligandとなり、CD8+ T cell に認識される。

Kracht MJ et al. Autoimmunity against a defective ribosomal insulin gene product in type 1 diabetes. Nat Med. 2017 Apr;23(4):501-507. 

Wei J, Yewdell JW. Autoimmune T cell recognition of alternative-reading-frame-encoded peptides Nat Med. 2017 Apr 7;23(4):409-410. 

β細胞は特有の分子の遺伝子発現を低下させ免疫的攻撃から逃れている

β細胞は、β細胞特有の遺伝子発現を低下させ、免疫的攻撃から逃れている。
NODマウスのβ細胞を経時的にFACSで解析しB6マウスと比較した。

Rui J et al. β Cells that Resist Immunological Attack Develop during Progression of Autoimmune Diabetes in NOD Mice. Cell Metab. 2017 Mar 7;25(3):727-738. 

MiniMed640GはSAPに比べ低血糖を減少させる。

予測低血糖マネージメント predictive low-glucose management (PLGM) 機能を搭載したMiniMed640Gは、sensor-augmented insulin pump (SAP)に比べ、夜間及び日中の低血糖イベントを減少させる。小児で、14日間のスタディ。

Tadej Battelino et al. Prevention of Hypoglycemia With Predictive Low Glucose Insulin Suspension in Children With Type 1 Diabetes: A Randomized Controlled Trial Diabetes Care 2017 Mar; dc162584. 

リブレ Libre は、血糖値70mg/dlの時間を減少させる。

リブレ(Libre) は、皮膚に挿入したセンサーにかざすだけで血糖値をモニターできる。(flash sensor-based monitoring)
1型糖尿病、
A1C 7.5% 未満、リブレ 120人、SMBG 121人、6ヶ月の使用の比較、プライマリーアウトカムは血糖値70mg/dl 未満の時間とした。全例がリブレをマスクモードで14日間使用しベースラインデータとする。

ランダマイズ後、リブレ群は血糖値データーを見ることができる。希望があればデバイスソフトウエアを使って自宅で血糖値レビューを行う。コントロール群はマスクモードのままSMBGを行う。

血糖値 70mg/dl 未満の時間
Libre 3.38 h/day → 2.03 h/ day (38% 減少)
SMBG 3.44 h/day → 3.27 h/day

リブレ群では1日あたり、血糖値を15.1回見ており、SMBG群では5.6回測定している。
終了時のインスリン使用量、basal/bolus insulin ratio、HbA1Cは両群で差はない。
血糖コントロールの良い1型糖尿病でリブレは血糖値70mg/dlの時間を減少させた。

Bolinder J et al. Novel glucose-sensing technology and hypoglycaemia in type 1 diabetes: a multicentre, non-masked, randomised controlled trial. Lancet. 2016 Nov 5;388(10057):2254-2263. 

血糖コントロールの良い1型糖尿病でも、Closed-loop system は血糖値がターゲットレンジに入る時間を長くする。

 ケンブリッジ大のグループ、コントロールの良い1型糖尿病患でも、Closed-loop system は従来型のポンプに比べ、血糖値がターゲットレンジに入る時間が長くなる。

まとめ
1型糖尿病29人、A1C 7.5%未満、Closed-loop system と従来型のポンプの4週間のクロスオーバースタディ、腎症、神経障害、増殖性網膜症、総インスリン量が2U/kgを超える人は除外する。

Closed-loopでは、従来型ポンプに比べ、target range に入る時間が10.5% 長くなり、低血糖の時間が少ない。
特に夜間で血糖値63 mg/dl (3.5 mmol/l) 未満となる血糖面積を89%減少させた。

Day-and-night glycaemic control with closed-loop insulin delivery versus conventional insulin pump therapy in free-living adults with well controlled type 1 diabetes: an open-label, randomised, crossover study

インスリンとグルカゴンの bihormonal pump、大人の使用経験

 18歳以上の1型糖尿病43人、クロスオーバースタディ、施設から車で30分以内に居住している人を対象とし、FDAの要請によりリモートモニタリングをおこなった。

家庭での使用で従来型ポンプ、sensor-augmented pump (SAP) に比べ、bihormonal pumpでは、より良い血糖コントロールが得られた。体重の情報のみでカーボカウンティングを必要としない。
nausea が若干増え、インスリン量は増加した。
グルカゴンは毎日作製する。

El-Khatib FH et al. Home use of a bihormonal bionic pancreas versus insulin pump therapy in adults with type 1 diabetes: a multicentre randomised crossover trial. Lancet. 2016 Dec 20. pii: S0140-6736(16)32567-3.

CGMとSMBGの比較 (IN CONTROL)

 1型糖尿病52人、CGMとSMBGを16週間使用の比較。CGM使用期間で、正常血糖値に入る時間が長く低血糖の時間が少なく、重症低血糖の頻度は少なかった。

まとめ
1型糖尿病52人、CGMとSMBGの比較、CGM-SMBGあるいはSMBG-CGMの順で、12週間ウォッシュアウトを挟んで16週間介入する。
CGM期間はParadigm Veo system、MiniLink transmitter、Enlite glucose sensor を使用する。SMBG期間はリアルタイムで血糖値を表示しないiPro2を装着する

CGM期間で、正常血糖値に入る時間が長く、180 mg/dl をこえる時間、70mg/dl以下となる時間が短い
重症低血糖はCGMで少ない。(14 events vs. 34 events, p=0·033)
CGMとSMBGで、self-reported hypoglycaemia awareness scoresは変わらなかった。
正常血糖値に入る時間は、CGMとインスリン頻回注射、カーボカウンティングの有無には関係しなかった。

重症低血糖、無自覚低血糖を減らす方法として、患者教育 (DAFNE、BGAT)、インスリン頻回注射からCSIIへの切り替えでエビエンスが示されており、CGMよりコストがかからない。

van Beers CA et al. Continuous glucose monitoring for patients with type 1 diabetes and impaired awareness of hypoglycaemia (IN CONTROL): a randomised, open-label, crossover trial Lancet Diabetes Endocrinol. 2016 Nov;4(11):893-902

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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