リブレ Libre は、血糖値70mg/dlの時間を減少させる。

リブレ(Libre) は、皮膚に挿入したセンサーにかざすだけで血糖値をモニターできる。(flash sensor-based monitoring)
1型糖尿病、
A1C 7.5% 未満、リブレ 120人、SMBG 121人、6ヶ月の使用の比較、プライマリーアウトカムは血糖値70mg/dl 未満の時間とした。全例がリブレをマスクモードで14日間使用しベースラインデータとする。

ランダマイズ後、リブレ群は血糖値データーを見ることができる。希望があればデバイスソフトウエアを使って自宅で血糖値レビューを行う。コントロール群はマスクモードのままSMBGを行う。

血糖値 70mg/dl 未満の時間
Libre 3.38 h/day → 2.03 h/ day (38% 減少)
SMBG 3.44 h/day → 3.27 h/day

リブレ群では1日あたり、血糖値を15.1回見ており、SMBG群では5.6回測定している。
終了時のインスリン使用量、basal/bolus insulin ratio、HbA1Cは両群で差はない。
血糖コントロールの良い1型糖尿病でリブレは血糖値70mg/dlの時間を減少させた。

Bolinder J et al. Novel glucose-sensing technology and hypoglycaemia in type 1 diabetes: a multicentre, non-masked, randomised controlled trial. Lancet. 2016 Nov 5;388(10057):2254-2263. 

CGMとSMBGの比較 (IN CONTROL)

 1型糖尿病52人、CGMとSMBGを16週間使用の比較。CGM使用期間で、正常血糖値に入る時間が長く低血糖の時間が少なく、重症低血糖の頻度は少なかった。

まとめ
1型糖尿病52人、CGMとSMBGの比較、CGM-SMBGあるいはSMBG-CGMの順で、12週間ウォッシュアウトを挟んで16週間介入する。
CGM期間はParadigm Veo system、MiniLink transmitter、Enlite glucose sensor を使用する。SMBG期間はリアルタイムで血糖値を表示しないiPro2を装着する

CGM期間で、正常血糖値に入る時間が長く、180 mg/dl をこえる時間、70mg/dl以下となる時間が短い
重症低血糖はCGMで少ない。(14 events vs. 34 events, p=0·033)
CGMとSMBGで、self-reported hypoglycaemia awareness scoresは変わらなかった。
正常血糖値に入る時間は、CGMとインスリン頻回注射、カーボカウンティングの有無には関係しなかった。

重症低血糖、無自覚低血糖を減らす方法として、患者教育 (DAFNE、BGAT)、インスリン頻回注射からCSIIへの切り替えでエビエンスが示されており、CGMよりコストがかからない。

van Beers CA et al. Continuous glucose monitoring for patients with type 1 diabetes and impaired awareness of hypoglycaemia (IN CONTROL): a randomised, open-label, crossover trial Lancet Diabetes Endocrinol. 2016 Nov;4(11):893-902

Abott 社のFreeStyle Libre (リブレ)

Abott 社のFreeStyle Libre (リブレ)は、2014年に8月にヨーロッパですでに発売、日本でも治験中で、認可されることを期待しています。1型糖尿病に非常に有用な wearable device のさきがけであると思います。
 
Free Style Libre (リブレ)の特徴
 
血糖センサーは14日間まで留置できる。
 
測定方法は従来のCGM と異なり、指から採血して機器のキャリブレーションを行う必要が無い。
 
センサーに本体をかざし、Bluetooth 経由で、現在の血糖値から8時間前までの血糖値を読み込みことができる。
 
矢印で血糖値が上昇方向か下降方向か分かる。
 
留置にほとんど痛みを伴わない。
 
 使用方法(英語です。)


技術系はこちら(英語)
グルコースが、glucose oxidase に結合した反応を電流に変換している。工場からの出荷時に、電流と血糖値のキャリブレーションをおこなっており、使用中14日間キャリブレーションが不要であることが確かめられている。
 







涙で血糖値をモニターする。 ABC NEWS と Joslin Diabetes Blog の解説記事

血糖値をモニターするコンタクトレンズの解説記事です。このコンタクトの注意点 (limitation) として、血糖の変化は、5分から15分遅れて体液のグルコース濃度に反映されること、キャリブレーションは必須であることがあげられている。
 
まとめ
血糖値と涙のグルコース濃度とは統計的に有意な相関が認められている。1)
 
このコンタクトレンズの注意点
①血糖値と涙のグルコース濃度のタイムラグ
持続血糖モニター(CGM) の結果から、体液のグルコース濃度は、血糖より5から15分遅れる。すなわち、CGMは、血糖のspikeやdropを約15分遅れて見ている。涙のグルコース濃度も、同様に血糖値に対してタイムラグがある。個々の人のタイムラグを反映した微細なアルゴリズムがないので、頻回の血統測定を行って、キャリブレーションを行うことが必要。
 
②1型糖尿病では、夜間に低血糖がおこる。就寝中、コンタクトレンズは使用できず、持続血糖モニターが望ましい。2)
 
1. Google Contact Lens To Monitor Diabetes Holds Promise, Say Doctors (ABC NEWS) 

2. Google X Announces Glucose Monitoring Contact Lens (Joslin Diabetes Blog)


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涙で血糖値をモニターするグーグルのプロジェクト

グーグルニュースなどで既報の、コンタクトレンズに埋め込まれたセンサーで血糖値をモニターするというプロジェクトですが、これを発表したブログは糖尿病についてよく書かれていて、グーグルの意気込みが感じられたので訳してみました。
開発者のプレゼンテーションの動画では、コンタクトの LEDが光っている画像が出てきます。

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涙、唾液のグルコース濃度を測定できるセンサーを開発。(パデユー大学)

涙、唾液などのグルコース濃度を測定できるセンサーが公開された。(パデユー大学)
glucose oxidase enzyme と白金ナノパーティクルをのせた試験紙となっている。
グルコースが過酸化水素に酸化されるシグナルを、白金ナノパーティクルの電極で検知する。
血糖値と涙、唾液のグルコース濃度が相関するか検討が必要。
 
実用化されれば糖尿病で血糖値を測定する際の皮膚の穿刺が減らせるかもしれない。
 
New Glucometer from Purdue Measures Glucose in Tears, Saliva
http://medgadget.com/2012/08/new-glucometer-from-purdue-measures-glucose-in-tears-saliva.html
 
Sensor detects glucose in saliva and tears for diabetes testing
http://www.purdue.edu/newsroom/releases/2012/Q3/sensor-detects-glucose-in-saliva-and-tears-for-diabetes-testing.html

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末梢全血(whole blood)と静脈血での血糖値の違い

先週、血糖自己測定器(アキュチェック)の説明を聞いて、長年の疑問だった、末梢全血(whole blood)と静脈血での血糖値の違いを調べてみました。

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自己血糖測定器は国際規格 ISO 15197 に準拠している。

糖尿病学会のセミナーで血糖自己測定の講演を聴いてきました。愛媛県立今治病院 清水先生の御講演でした。

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プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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