網膜静脈閉塞症と抗VEGF抗体療法

網膜静脈閉塞症のレビューです。
抗VEGF抗体ラニビズマブranibizumab は2009年3月に薬価収載、VEGFに対するヒトモノクロナール抗体(Fab部分)であり硝子体注射用に開発された。
アバスチン(ベバシズマブ、bevacizumab)はVEGFの完全型抗体。
ranibizumab の硝子体注射のスタディで、post hoc analysis ながら、nonoccular hemorrhage (脳出血を含む)が増加しているという報告がありました。
 
まとめ
網膜静脈閉塞症は、世界で1600万人が罹患、分枝閉塞症はその4倍
視力障害 visual loss は、血管新生のため。
 
網膜静脈分枝閉塞症
①光凝固 (Laser treatment ) は血管新生予防、硝子体出血のリスクを減らす。
②ステロイドの硝子体注射 (Triamcinolon) は眼圧上昇の副作用がある。白内障のリスクはコントロールと同じ。
③anti-VEGF agents (ranibizumab, bevacizumab) で視力改善の報告あり。
 
網膜中心静脈閉塞症
①レーザーは視力低下に効果がない。
②脈絡静脈吻合 (chorioretinal anastomosis) レーザーを使う治療だが詳細は?
③硝子体ステロイド注入はコントロールに比べ視力を改善する。
④Anti-VEGF agents ranibizumabで視力改善の報告あり。
anibizumab投与で、systemic vascular event に差はない。
 
網膜静脈閉塞症はリスクファクターがなくても、50歳以上のひとに起こりやすい。
若年者は別の病因かもしれないが、systemic coagulation abnormality のある人に起こるのかは不明。
月1回のranibizumab 硝子体注射で、nonoccular hemorrhage (脳出血など)がコントロールに比べ増えたという報告あり(二つの報告のpost hoc anlysis 3)4))
抗VGEF抗体投与が心血管イベント特に脳卒中を起こすかどうかさらにデーターが必要。

分枝閉塞症にはレーザー治療(grid laser) が first line treatment。抗VEGF抗体療法に比べ副作用やコストが少ない。
 dense macular hemorrhage のあるような症例には抗VEGF療法を検討する。
 
 1. Retinal-Vein Occlusion N Engl J Med 2010; 363:2135-2144 November 25, 2010
 2. Intravitreal Triamcinolone for Diabetic Macular Edema N Engl J Med 2010; 363:2351December 9, 2010
光凝固に不応性は糖尿病性網膜症による黄斑浮腫に対してTriamcinolone 硝子体注入を行い、改善させたという症例報告。
 3.Ranibizumab versus Verteporfin for Neovascular Age-Related Macular DegenerationN Engl J Med 2006; 355:1432-1444October 5, 2006
 4.Ranibizumab versus Verteporfin for Neovascular Age-Related Macular Degeneration ANCHOR Study GroupN Engl J Med 2006; 355:1432-1444October 5, 2006
 5.M&D医薬資料研究所のRanibizumabに関するサイト
http://www.mikanbox.com/md-lab/column/imashuku/Column4/column4_10.html




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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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