グルカゴンを発現するα細胞では、insulin mRNA の発現が認められる。

グルカゴンを発現するα細胞では、高い濃度のインスリン mRNA の発現が認められる。インスリン蛋白は発現していない。

膵島ドナーから提供されたヒト成人膵島を単一細胞に分離後、FACSでsortingした。ドナーには糖尿病を認めない。

β/α細胞比は年齢、性別に関係しない
BMIが高いほどβ/α細胞比は低下する傾向がある。

α細胞で、インスリンmRNAは62番目に多く発現している。インスリンタンパクは認められない。
β細胞で、グルカゴンmRNAは、177番目に多く発現している。

α細胞をリプログラムしインスリンを産生させることができれば糖尿病治療につながる。

"Last, our study of very pure cell subsets has uncovered surprisingly high insulin mRNA expression without insulin protein in glucagon-expressing α cells, which raises the interesting possibility that under certain conditions, α cells may be reprogrammed to secrete insulin with clear therapeutic consequences."

Blodgett DM et al. Novel Observations From Next-Generation RNA Sequencing of Highly Purified Human Adult and Fetal Islet Cell Subsets. Diabetes. 2015 Sep;64(9):3172-81. doi: 10.2337/db15-0039. Epub 2015 Apr 30.

GABA受容体の活性化はインスリン分泌を促進、ヒトβ細胞のreplication に働く。ヒト移植膵島の保護に作用する可能性がある。

β細胞では、グルタミンから、Glutamic acid decarboxylase (GAD) により、γ-aminobutyric acid (GABA) が合成され分泌される。
β細胞では、GABAB受容体、GABAA受容体が発現している。GABA受容体の活性化は、インスリン分泌をおこす。
また、GABAがヒトβ細胞の replication と、NOD/scid マウスに移植したヒト膵島の functional recovery を促進することが報告された。
 
1. Fiorina P. GABAergic System in β-Cells: From Autoimmunity Target to Regeneration Tool Diabetes. 2013 Nov;62(11):3674-6.
 
2. Tian J, Dang H, Chen Z, Guan A, Jin Y, Atkinson MA, Kaufman DL. γ-Aminobutyric Acid Regulates Both the Survival and Replication of Human β-Cells Diabetes. 2013 Nov;62(11):3760-5.


テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

膵切除後の膵島自家移植、GLP-1受容体で膵島の局在確認

9月23日号のNEJM誌に、ラベルしたexentin-4をトレーサーとして用いて、移植膵島の局在診断をしている論文を読みました。

続きを読む

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

膵島は血管、α細胞、β細胞の三層構造

組織像の写真で平面の膵島内の配置は良く目にしていて、典型的には、β細胞が中心にα細胞が辺縁にある構造です。
なかなか3次元構造をイメージしていくのは想像力が必要ですが、膵島の3次元構造の論文が、Diabetes 5月号にでていました。

膵β細胞がα細胞と血管に挟まれた三層構造(Trilaminar plate)となっています。
β細胞層には血管内皮細胞入り込んでいない。α細胞は直接血管とコンタクトあり。
α細胞の38%がβ細胞に包まれて存在していたということでした。


2次元構造を見ていたときは、周辺なるβ細胞だけがα細胞と情報交換しているイメージでしたが、これだけ接していると、血糖調節におけるα細胞の役割も大きいと感じます。

Fig.7. ヒト膵島内分泌細胞のモデル α細胞 (green), β細胞 (red), 血管(blue)

 医師ブログ20100529_2010may_Diabeetes

Unique arrangement of alpha- and beta-cells in human islets of Langerhans. Diabetes. 2010 May;59(5):1202-10. Epub 2010 Feb 25.



テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

グルコキナーゼ遺伝子変異女児に認められた膵島肥大

グルコースが膵島の増殖因子となることは以前から知られていた。ジョスリン糖尿病学によると、1938年に、グルコースの持続注入により膵島組織が増殖したという報告があります。

4月8日号のNEJMには、新奇のグルコキナーゼ遺伝子変異(V91L)により、新生児低血糖症を起こした女児の膵島肥大を報告しています。この変異により、グルコキナーゼはワイルドタイプに比べ8.5倍グルコースに対して親和性、7倍のenzyme activity を示すということです。

続きを読む

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

インスリノーマとGLP-1受容体/ 膵島移植とアミロイド沈着

Glucagon-like Peptide 1–Receptor Scans to Localize Occult Insulinomas
N Engl JMed 2008; 359:766-768
インスリノーマの細胞には、
GLP-1受容体が強く発現していることを利用し、I125 でラベルしたGLP-1(7-36)を用いることで、診断の難しいインスリノーマを局在診断した。

Widespread Amyloid Deposition in Transplanted Human Pancreatic Islets
N Engl JMed 2008; 359:977-979  
膵島移植患者の剖検例。16歳発症の一型糖尿病、50歳で4カ月あけて2回、54歳で1回膵島移植。腎移植も受けていて、2回目の移植の時からエドモントンプロトコールによる免疫抑制。心筋梗塞のため最初の移植から5年目に死亡。(38/89) 43%の膵島にアミロイドが沈着していた。移植前の膵島には100個中2個にごくわずかのアミロイドが認められるのみ。膵島機能の低下はアミロイド沈着が原因かもしれない。

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

最新記事
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
110位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
14位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム