食品交換表に基づく栄養指導とカーボカウンティングレベル1−2はオーバラップしている。

カーボカウンティング導入にはレベル1から3がある
レベル1(basic) カーボカウンティングの概念の理解、
レベル2(intermediate)  食事、治療薬、身体活動量と血糖値の関係を理解する。
レベル3 (advanced) 、食前の超速攻型インリン量を炭水化物量に合わせる 1型糖尿病のためにデザインされた方法 1)
 
日本でカーボカウンティングというと3のadvanced level、1型糖尿病で食事の炭水化物量と食前のインスリン値をあわせるための方法と認識されているが、レベル1、レベル2もカーボカウンティングである。
 
アメリカ糖尿病学会の Nutrition therapy recommendation で、カーボカウンティングは、meal planning の方法の一つとして記載されている。
 
炭水化物量を、カーボカウンティングあるいは経験的な概算でモニターしていくことが、血糖コントロールに重要である。レベルB。"
Monitoring carbohydrate intake, whether by carbohydrate counting or experience-based estimation, remains a key strategy in achieving glycemic control. B . 2)
 
食品交換表を用いた食事指導では、1食の炭水化物の目安、たとえばごはん100g、150gなどを示し、バランスのとれた食事、運動療法の指導も含んでいるので、カーボカウンティングのレベル1から2に相当している。
 
レベル3のadvanced carbohydrate counting では、カーボインスリン比(インスリンカーボ比)、インスリン効果値の設定が必要となる。それぞれを計算するため、500ルール、1700ルールなどがあるが、簡便に、
炭水化物10gに対して超速攻型インスリン1単位、
補正インスリン量を決める際には、インスリン1単位で血糖値が50下がるとしてスタートする。
 
1. Gillespie SJ, Kulkarni KD, Daly AE.J Am Diet Assoc. 1998 Aug;98(8):897-905. Using carbohydrate counting in diabetes clinical practice.

2. Evert AB1, Boucher JL, Cypress M, Dunbar SA, Franz MJ, Mayer-Davis EJ, Neumiller JJ, Nwankwo R, Verdi CL, Urbanski P, Yancy WS Jr. Diabetes Care. 2014 Jan;37 Suppl 1:S120-43. Nutrition therapy recommendations for the management of adults with diabetes.
 


カーボカウンティングのめたアナリシス カーボカウンティングはQOLを上げる。

カーボカウンティングを評価したスタディのメタアナリシスの結果です。
カーボカウンティング支持するいくつかのエビデンスがある。
カーボカウンティングの効果は、コンプライアンスと、炭水化物量概算の正確さによる。
DCCTスタディで、ほとんどの食事で、指示された食事量に従っていた群は、ほとんど従っていなかった群に比べ0.9%A1Cが低いという結果がある。(食事を固定した方がA1Cはよい)
一方、カーボカウンディングは食事のフレキシビリティを許可しているので、quality of life をあげることができる。

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カーボカウンティングのまとめ (5) 脂質の多い食事

カーボカウンティングでは、carbohydrate でインスリン量を決める。
炭水化物が少なく脂質の多い食事では、後から血糖値が上昇してくることになります。
脂質分はどうするのかという疑問があります。

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カーボカウンティングのまとめ (4)

2011年に聴いた、カーボカウントの講演会のまとめです。
食品交換表の表1にはいる、ごはん、麺類は、ある程度炭水化物量を算出できます。
難しいのは、副食や嗜好品の計算かと思います。

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カーボカウンティングのまとめ (3)

カーボカウンティングに使われる数式に関する論文などをまとめました。
食事の炭水化物に対して必要インスリン量を計算するインスリンカーボ比(ICR)、血糖の補正を計算するために必要なinsulin sensitive factor を数式より算出して、その数値をそのまま使うのではなく、適宜補正していくことになります。

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カーボカウンティングまとめ(2)

DITNの記事と、リスプロの発売10周年記念講演会で カーボカウントについての講演を聞き、remind されたのでまとめです。
カーボカウントには、3段階のレベルがあり、レベル3、advanced carbohydrate countingは、1型糖尿病患者が炭水化物量に応じて、速効型インスリンを調整する方法である。DCCTで、強化療法群に、カーボカウントが導入されていた1, 4, 5)。DCCTの時は速効型インスリンを用いている。
 
DAFNE (the dose adjustment for normal eating) は、イギリスで行われている1型糖尿病で用いられるカーボカウンティングで、超速効型インスリンが主流である。
 
速効型インスリン注射の一回量が増えると、作用時間も長くなる傾向があるが、超速効型インスリンでは量が増えても作用時間が一定である。
速効型インスリンでカーボカウンティングを導入すると、超速効型インスリンを用いる場合に比べ、注射後の低血糖が高くなるかもしれない。
 
ADAのrecommendation 
V. Diabetes Care, F. Medical nutrition therapy
●Monitoring carbohydrate, whether by carbohydrate counting, choices, or experience-based estimation, remains a key strategy in achieving glycemic control. (A)
"カーボカウンティング法、あるいは経験による概算を用いても、炭水化物のモニターは血糖コントロールに重要である。" としている。
 
1. Using carbohydrate counting in diabetes clinical practice J Am Diet Assoc. 1998 Aug;98(8):897-905.

2. Training in flexible, intensive insulin management to enable dietary freedom in people with type 1 diabetes: dose adjustment for normal eating (DAFNE) randomised controlled trial

3. 糖尿病の食事療法 『DITN』:2011年9月 402号
 
4. The Effect of Intensive Treatment of Diabetes on the Development and Progression of Long-Term Complications in Insulin-Dependent Diabetes Mellitus N Engl J Med 1993; 329:977-986 September 30, 1993

5. Nutrition interventions for intensive therapy in the Diabetes Control and Complications Trial. The DCCT Research Group. J Am Diet Assoc. 1993 Jul;93(7):768-72.

 

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カーボカウンティング

カーボカウンティングのまとめです。
ここ1年で、大阪大学 黒田先生、埼玉社会保険病院 丸山先生、大阪市立大学 川村先生の講演会で、カーボカウントの話を聞き勉強になり、まとめを作るきっかけとなりました。
内因性インスリン分泌がある程度あれば、食品交換表にそった食事療法でいいけれど内因性インスリン分泌が低下した場合は、炭水化物量を算定してインスリン量の調整を行ったり、補食に対してインスリン追加注射が必要となると思います。 

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1型糖尿病とカーボカウンティング

11月22日、日本IDDMネットワーク主催、「1型糖尿病研究会」に行ってきました。
大阪大学の黒田暁生先生が、「1型糖尿病の血糖コントロールの極意」というタイトルで講演されました。カーボカウンティングや、アルコールを飲む場合、高カロリーの食事(ラーメン、焼き肉)を取る場合のインスリンの調節について話されました。

カーボカウンティングは、糖尿病専門医の中でも、まだ詳細な知識を持って、診療に取り入れている医師は少ないように思われます。
今回の講演では、炭水化物、たんぱく質、脂肪では、食後の血糖値のピークの高さ、ピークの持続時間が異なるというデーターを出されていました。
炭水化物は血糖値の上りが早く持続時間が短いが、脂肪は血糖値上昇が緩やかで持続時間が長い、たんぱく質はその中間というグラフでした。
1型糖尿病でカーボカウンティングを用いたインスリン調節の必要性が非常によくわかりました。

ラーメンなど脂肪分の高い食事の場合、1型糖尿病では、脂肪による血糖上昇が糖質ほど早くなく、ゆっくり効いていてくる。(夜食べたら、朝までくらいの間隔か。) 中間型インスリンで対応するか、インスリンポンプの設定でボーラスを入れて、一次的に基礎インスリン量を上げるスクエアーボラスを行うか(8時間後まで設定可能)、それより長くなる場合は、基礎インスリン注入量を何割か上げておくということです。

1型糖尿病の場合、無自覚低血糖を避けるため、血糖値79mg/dl未満から捕食などの対応をするべきと。(血糖値70mg以下で低血糖症状が出やすく、自己測定器の誤差も考慮が必要)

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プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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