β-cell identity の喪失が2型糖尿病で機能するβ細胞量を減弱させている。

2型糖尿病の膵島ドナーでは
・β cell area が少なくα/β cell ratio が高い。
・インスリンとグルカゴンが共染する細胞がコントロールに比べ8倍多い
・5%程度の細胞がNKx6.1+glucagon+Insulin- で、これはコントロールに比べ5倍となっている。

NKx6.1+glucagon+Insulin-細胞は、糖尿病のサル(macaque) でも認められる。
NKx6.1+glucagon+Insulin-細胞数は、膵島のアミロイド沈着に比例している。

β-cell identity の喪失が、2型糖尿病で機能するβ細胞量 (functional β cell mass) を減弱させている。

Spijker HS et al. Loss of β-Cell Identity Occurs in Type 2 Diabetes and Is Associated With Islet Amyloid Deposits. Diabetes. 2015 Aug;64(8):2928-38. doi: 10.2337/db14-1752. Epub 2015 Apr 27.


β細胞の量の低下か機能異常か

Doulas Melton のレビュー1)で引かれていた、2型糖尿病の総説 (Ashcroft FM, Rorsman P , 2012) 2)はここ10年のトピックスが分かりやすく解説されていた。糖尿病の発症原因としてβ細胞量が注目されているが、Cross sectional なデータであって、longitudinalなデータがない。膵島の機能異常が主原因という考え方もある。
 
また、β細胞量は個人差が大きいが、一般にヒトのβ細胞の増殖能は5歳でピークとなり年齢とともに減少する。数式モデルでは、20歳までにβ細胞数は決まり、マウスに比べ遥かに寿命が長いことが報告されている。

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β細胞量が50%減少で、耐糖能異常となる。

糖尿病学会のシンポジウムでは、Peter Butler先生が、β 細胞量 (β cell volume)について講演されていました。
剖検の結果から、β 細胞が、~50%減少で耐糖能異常(IGT)、~65%まで減少(35%残存)で Type2 DM 発症としていました。

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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