FDAはDPP4阻害薬に重症関節痛の警告を追加

FDAはDPP4阻害薬に重症関節痛の警告を追加しています。
2006年10月から2013年12月の間に、33例の重症関節炎の報告が報告されているため。
33例中23例では、DPP4阻害薬中止1ヶ月以内に関節痛が軽快した(resolved)。

FDA Drug Safety Communication: FDA warns that DPP-4 inhibitors for type 2 diabetes may cause severe joint pain

シタグリプチン服用で、心血管イベントはプラセボと非劣性、心不全入院は増加しない。(TECOS Study)

TECOS Study
A1C 6.5-8% 年齢50歳以上、メトフォルミン、ピオグリタゾン、スルフォニルウレアの2剤まで、あるいはインスリン (メトフォルミン併用可)で、血糖コントロール安定している14671人にシタグリプチンあるいはプラセボの服用を開始。

プライマリーアウトカムは心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、不安定狭心症による入院。

フオローアップ3年、least square methodによるA1Cの差は0.23%

プライマリーアウトカムでシタグリプチンはプラセボに対して非劣性、心不全による入院、重症低血糖は二つのグループで差はない。
急性膵炎はまれな疾患 (uncommon) で、シタグリプチンで発症が多いが有意差なし。

Green JB et al. Effect of Sitagliptin on Cardiovascular Outcomes in Type 2 Diabetes.
N Engl J Med. 2015 Jul 16;373(3):232-42.

DPP4阻害薬のrandomized trial

Saxagliptin の randomized trial (SAVOR-TIMI 53)、2.1年のフォローアップで、プライマリーエンドポイントは両群で同等。
フォローアップ期間が短いこと、血糖コントロールの差が少ないこと、併用薬(スタチン、抗血小板薬、降圧薬)のために心血管死などに差がつかなかったという考察でした。Saxagliptin で、慢性膵炎、急性膵炎のリスク上昇なし。
 
同時に掲載された、Alogliptin の EXAMIN trial も、medial-follow-up periodが18ヶ月と短く、プライマリーエンドポイントに差がつかない。
 
DPP4阻害薬の心血管イベント抑制効果への期待は高かったですが、2年程度では、心血管病リスクはプラゼボと同じという結果でした。
心血管リスクを下げるには血糖値、血圧、脂質ともにントロールする集学的治療で、長期継続することが必要ということを感じました。

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DPP4阻害薬は骨折リスクを減少させる。

講演会で聞いた論文、メタアナリシスでDPP4阻害薬は骨折リスクを減少させる (オッズ比 0.6)。マウスの結果からGIPの作用と、GLP−1、GIPがAGEs の作用を抑制することが関係しているようです。

まとめ
DPP4阻害薬のメタアナリシス、2型糖尿病、24週以上の使用、28トライアルの解析、DPP4阻害薬 11880人vs. comparators 9175人
DPP4阻害薬の服用は、骨折リスクを減少させる。(Haenszel odds ratio 0.60)
"GLP-1、gastric intestinal peptide (GIP) ともに骨代謝を制御する。"と簡単に書いてあるので、最近のレビュー2)で調べてみました。

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腸管局所のDPP4活性の低下は血糖値を改善させる。

リナグリプチンの講演会で提示された論文、DPP4阻害薬はそれほどGLP-1濃度を上昇させないが、血糖コントロールを改善させる理由が示されていた。
マウスに非常に低濃度のシタグリプチンを投与すると、血中活性型GLP-1濃度、DPP4活性を変えずに糖負荷試験の血糖値を改善させる。低容量のシタグリプチンが、腸管局所でDPP4活性を低下させることにより、GLP-1受容体が刺激され、迷走神経を活性化するというメカニズムが考えられている。またDPP4により生じるペプチドが血糖値を悪化させているため、DPP4活性が低下しペプチド産生が減ることも血糖値改善に関係している。1)


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シタグリプチンとインスリンの併用

9月16日、インスリンとシタグリプチンの併用が認可された。
インスリンとの併用第3相試験では、混合型、中間型また時効型インスリンのいずれか単独、1日インスリン使用量は8-40単位で行われていた。シタグリプチン上乗せ16週後のA1Cは -0.57%、プラセボ+0.28%。
低血糖の頻度は11.7%(16/137例)と高い。
 
インスリンにDPPIV阻害薬を上乗せした場合の効果は、C-peptide がどれくらい残っているかで効果が異なると思う。かなり低血糖に注意して、インスリンおよび併用薬を調整するか、低容量でDPPIV阻害薬を追加するなどの考慮が必要と思われます。
 

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シタグリプチンとβ細胞-HOMA-βとプロインスリン比が改善

Effect of the Dipeptidyl Peptidase-4 Inhibitor Sitagliptin as Monotherapy on Glycemic Control in Patients With Type 2 Diabetes Diabetes Care December 2006; 29: 2632-2637
http://care.diabetesjournals.org/content/29/12/2632.abstract

リラグルチドの論文(LEAD-3)にひかれていたシタグリプチンの論文。741人をプラセボ、シタグリプチン100mg200mgに振り分け24週経過観察。

シタグリプチン100mg200mgではそれぞれ、A1C 0.79%0.94 % 低下。
FPG、ミールトレランステストの2時間値も低下。
A1CFPG2h-PGの低下で、シタグリプチン100mg200mgでの差は有意差なしで200mgの方がより効果があるという結果ではありません。ベースラインのA1C9%以上であれば1.5%低下させる。

HOMA-βを増やし、プロンスリンインスリン比を減らしたので、β細胞機能を改善させたということになっています。
2型糖尿病でβ細胞機能が低下すると、プロインスリンを多く分泌するようになる。プロンスリンインスリン比はβ細胞機能の指標になる。ということで、Bergman の論文がひいてありました。The evolution of beta-cell dysfunction and insulin resistance in type 2 diabetes. Bergman RN, Finegood DT, Kahn SE Eur J Clin Invest. 2002; 32 Suppl 3:35-45 論文自体にはアクセスできず。

HOMA-IR などインスリン感受性の指標には影響なし。

消化器症状は、プラセボに比べ有意差なし。

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プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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