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ナトリウム摂取量と高血圧、心血管イベント

ナトリウム5g (塩分12.6g) 以上を摂取するコミュニティでは、1日のナトリウム摂取量と収縮期血圧および心血管イベントが関連する。

まとめ
95767人、8.1年のフォローアップしたスタディ、早朝尿サンプルからKawasaki formula により24時間のナトリウムとカリウムの摂取量を推定する。
参加国のうち中国で1日ナトリウム摂取量が5g(塩分12.6g)を超え、それ以外の国で1日ナトリウム摂取量が3-5g(塩分7.6-12.6g)であった。

ナトリウム摂取量が多い三分の一群で、収縮期血圧は、ナトリウム1gあたり2.86 mmHg増加する。
主要心血管イベントと1日ナトリウム摂取量は、ナトリウム摂取が一番多い群(>5.08 g /日) では正の相関となるが有意ではない。ナトリウム摂取が少ない三分の一群(<4.43g/日)で有意な逆相関となり、ナトリウム摂取中間群(4.43-5.08 g/日)で相関がない.

ナトリウム摂取量5g/日を超える中国では、他の国に比べ、ナトリウム摂取量と心血管イベントのより強い相関を認めた。
脳卒中とナトリウム摂取量は、中国では関連するが他の国では関連しない。
心筋梗塞とナトリウム摂取量は、中国で関連しないが他の国では関連する。

カリウム摂取量が多いほど心血管アウトカムは減少する。
カリウム摂取が多いことは、野菜や果物が摂取されて健康的な食事摂取を反映しているかもしれない。

Mente A et al. Urinary sodium excretion, blood pressure, cardiovascular disease, and mortality: a community-level prospective epidemiological cohort study. Lancet. 2018 Aug 11;392(10146):496-506.

Messerli FH, Hofstetter L, Bangalore S. Salt and heart disease: a second round of “bad science"? Lancet. 2018 Aug 11;392(10146):456-458.

ナトリウム、カリウム排泄量と高血圧、死亡率、心血管イベント

ナトリウム、カリウム排泄量と高血圧 1)

18カ国、102216人の解析 (PURE study)
ナトリウム排泄量と血圧は相関し、ナトリウム排泄量が1g 増えるごとに収縮期血圧 2.11 mmHg、拡張期血圧0.78 mmHg 増加する。

ナトリウム排泄量と年齢が高くなると、ナトリウム排泄量あたりの血圧上昇が大きくなる。
ナトリウム排泄量 5 g<、3-5 g、<3 gで、それぞれ収縮期血圧 2.58 mmHg/g、1.74 mmHg/g、
0.74 mmHg/g 増加する。

年齢 >55 歳、45-55歳、45歳>でそれぞれ収縮期血圧2.97 mmHg/g、2.43 mmHg/g、1.96 mmHg/g 増加する。
高血圧がある場合は2.49 mmHg/g、ない場合は1.30 mmHg/g

カリウム排泄量は、血圧と逆相関する。
高ナトリウム排泄量と低カリウム排泄量を伴っている場合は、それぞれ単独よりも血圧が高い

ナトリウム排泄量と死亡率、心血管イベント 2)
この試験で、3.7年の間に、3317人(3.3%) にcardiovascular-disease outcome  が発生。
ナトリウム排泄量が、7 g 以上および3g 未満で、4-5.99 gに比べ、cardiovascular-disease outcome  が上昇する。
カリウム排泄量が1.5 g 未満に比べ、カリウム排泄量が多ければ cardiovascular-disease outcome  のリスクが低下する。

ナトリウム排泄量3g未満でリスク上昇を示した点についての考察

この試験の大部分の参加者は心血管疾患の病歴がない。
低ナトリウム排泄量群に、糖尿病や心血管疾患の病歴のある参加者が多いが(more common)、INTERHEART Modifiable Risk Score はそろえてある。
心血管疾患の既往、がん、糖尿病、current smoking、最初2年のイベントを起こした参加者をのぞいても、解析結果に影響を与えていない。
しかし、逆の因果関係も完全に否定できず、低ナトリウム排泄量群に、糖尿病、心疾患の病歴のある参加者が多いことが、リスク上昇を説明しうるかもしれない。

コメントでは、カリウム排泄量が低いほど、ナトリウム排泄量あたりの血圧上昇がおおきくなるので、健康的な食事として、ナトリウム制限だけでなくカリウム摂取をすすめていた。4)

1. Mente A et al. N Engl J Med. 2014 Aug 14;371(7):601-11. Association of urinary sodium and potassium excretion with blood pressure.

2. O'Donnell M et al. N Engl J Med. 2014 Aug 14;371(7):612-23. Urinary sodium and potassium excretion, mortality, and cardiovascular events.

3. Mozaffarian D et al. N Engl J Med. 2014 Aug 14;371(7):624-34. Global sodium consumption and death from cardiovascular causes.


 



プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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