ナトリウム、カリウム排泄量と高血圧、死亡率、心血管イベント

ナトリウム、カリウム排泄量と高血圧 1)

18カ国、102216人の解析 (PURE study)
ナトリウム排泄量と血圧は相関し、ナトリウム排泄量が1g 増えるごとに収縮期血圧 2.11 mmHg、拡張期血圧0.78 mmHg 増加する。

ナトリウム排泄量と年齢が高くなると、ナトリウム排泄量あたりの血圧上昇が大きくなる。
ナトリウム排泄量 5 g<、3-5 g、<3 gで、それぞれ収縮期血圧 2.58 mmHg/g、1.74 mmHg/g、
0.74 mmHg/g 増加する。

年齢 >55 歳、45-55歳、45歳>でそれぞれ収縮期血圧2.97 mmHg/g、2.43 mmHg/g、1.96 mmHg/g 増加する。
高血圧がある場合は2.49 mmHg/g、ない場合は1.30 mmHg/g

カリウム排泄量は、血圧と逆相関する。
高ナトリウム排泄量と低カリウム排泄量を伴っている場合は、それぞれ単独よりも血圧が高い

ナトリウム排泄量と死亡率、心血管イベント 2)
この試験で、3.7年の間に、3317人(3.3%) にcardiovascular-disease outcome  が発生。
ナトリウム排泄量が、7 g 以上および3g 未満で、4-5.99 gに比べ、cardiovascular-disease outcome  が上昇する。
カリウム排泄量が1.5 g 未満に比べ、カリウム排泄量が多ければ cardiovascular-disease outcome  のリスクが低下する。

ナトリウム排泄量3g未満でリスク上昇を示した点についての考察

この試験の大部分の参加者は心血管疾患の病歴がない。
低ナトリウム排泄量群に、糖尿病や心血管疾患の病歴のある参加者が多いが(more common)、INTERHEART Modifiable Risk Score はそろえてある。
心血管疾患の既往、がん、糖尿病、current smoking、最初2年のイベントを起こした参加者をのぞいても、解析結果に影響を与えていない。
しかし、逆の因果関係も完全に否定できず、低ナトリウム排泄量群に、糖尿病、心疾患の病歴のある参加者が多いことが、リスク上昇を説明しうるかもしれない。

コメントでは、カリウム排泄量が低いほど、ナトリウム排泄量あたりの血圧上昇がおおきくなるので、健康的な食事として、ナトリウム制限だけでなくカリウム摂取をすすめていた。4)

1. Mente A et al. N Engl J Med. 2014 Aug 14;371(7):601-11. Association of urinary sodium and potassium excretion with blood pressure.

2. O'Donnell M et al. N Engl J Med. 2014 Aug 14;371(7):612-23. Urinary sodium and potassium excretion, mortality, and cardiovascular events.

3. Mozaffarian D et al. N Engl J Med. 2014 Aug 14;371(7):624-34. Global sodium consumption and death from cardiovascular causes.


 



プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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