インスリン分泌における視床の役割 (ventromedial hypothalamus, VMH)

食事開始10分後からインスリン分泌が始まるが、自立神経を介したcephalic phase とされる。一方、視床にはglucose-responsive neuron が存在するが、その役割は明らかになっていないことが多い。視床のglucose-responsive neuron について、 Diabetes 2月号に論文、3月号にレビューがでているのでまとめました。
まとめ
グルコース応答性インスリン分泌における脳の役割を明らかにするため以下の実験をおこなった。
ラットでIVGTTの30分前から、グルコース、グルコキナーゼ阻害薬glucosamine、 mannoheptulose を、脳室内に持続注入。インクレチン効果を排除するためIVGTTとした。

グルコース持続注入ではAUCで評価したIVGTT時のインスリン分泌は増加し、血糖値は低下した。グルコキナーゼ阻害薬では、acute insulin response は低下し、血糖の増加(変動)はやや大きかった。

ventromedial hypothalamus のインスリン受容体をchronic knockout すると高血糖刺激のインスリン分泌が低下する。GLUT4 をbrain レベルで欠失させるとグルコースセンシ
ングと耐糖能異常が認められる。
これらの結果は視床のinsulin-responsible glucose-sensing mechanism を明らかにしている。
視床は血糖をコントロールするため、膵島ホルモン分泌を制御している。

一方、食後、末梢での急速な血糖の上昇がインスリン分泌をinitiate するという考えもある。その後に続くインスリンと血糖の上昇が視床のglucose-responsive neuron でのglucose uptake を増やしさらなるインスリン分泌増強がおきる。

中枢でのインスリン抵抗性が存在すると、視床でのglucose uptake が減り、グルコース応答性インスリン分泌低下に関与するかもしれない。

1. Hypothalamic Regulation of Glucose-Stimulated Insulin Secretion
Diabetes March 2012 61:564-565
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/61/3/564.extract
 
2. Is Insulin Action in the Brain Clinically Relevant?
Diabetes April 2012 61:773-775; doi:10.2337/db12-0048 
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/61/4/773.extract
 
3. インスリン分泌のcephalic phase

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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