Functional MRI と“stream of thought”

Willful Modulation of Brain Activity in Disorders of Consciousness N Engl J Med 2010;362:579-89.

Cogito Ergo Sum by MRI N Engl J Med 2010;362: 648-649.

Neuroscientist のブログで、話題となっていた論文で興味を持ちました。意識障害のある54人の患者(23 vegetative state31 minimally conscious state)のうち5人がfunctional MRI で反応を示した。論文の内容とfunctional MRIは、ブログ、大「脳」航海記に詳しく述べられています。

エディトリアルでは、

1) functional MRI では、YesとNo の反応がMRIは異なる場所にシグナルがあり、たとえば家族が患者とのコミュニケーションをとるために期待されていくのではないかということ

2) しかし、反応を示したのは外傷性脳障害の中の数人であり、脳血管障害や低酸素脳症の患者では反応していない

3) functional MRIでのシグナルが、自動的(automatic) で意識のない(unconscious) 反応と区別ができていないなどが書かれていす。

エディトリアルは、めずらしく哲学的です。私たちがああでもないこうでもないと考えることを、哲学者ウイリアム・ジェームスは、”stream of thought”と表現していたということです。この表現が、的を得ていて気に入りました。

この論文の様な研究の積み重ねで、”stream of thought”もニューロンの電気的シグナルで説明される日が来るのかもしれません。

医師ブログ20100228  Photoexpress

 

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GLP-1―食事量に応じたインスリン分泌を調整(研究会)

糖尿病研究会で、関西電力病院院長 清野裕先生の御講演を聞いてきました。
まとめ

ご飯1杯、2杯、3杯でも生理的な血糖値は140以下の狭いレンジにrigid に調整される。血糖値が同じでも食事量が多いほど、インクレチンによりインスリン分泌は増え血糖値を調整している。

1902年、セクレチンが発見。その後、腸管から分泌されるインスリン様のホルモンが想定され、Intestine secretion insulin からそのホルモンをインクレチンと名付けた。

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ACCOMPLISH-eGFRは、血行動態と関係する。

ACCOMPLISH study のCKDへの影響は、最近Lancetにpublishされた。エディトリアルまで読むと、この論文から、アムロジピンがハイドロクロロサイアザイド(HCT)より腎保護作用が優れているというメッセージは受け取れない。

CKDに関するエンドポイントは、血中クレアチニンが倍になるか、eGFR < 15 ml/min/1.73 m2、あるいは透析となっていた。CKDの中で、糖尿病の割合は、benazepril+アムロジピン 335/561、benazepril+HCT 309/532。


エディトリアルには、HCT併用で、最初の3カ月にeGFRが低下し、その後緩やかにeGFRが低下するグラフがでていて、3か月以降の傾きはアムロジピンとほぼ同じ。


エディトリアルの筆者は、「エンドポイントをeGFR 低下にしているため、アムロジピンがHCTより有効とされたが、eGFRの低下は血行動態によるものであり、腎への構造的な保護作用ではない。
としています。3か月以後のeGFRの傾きから、HCTとアムロジピンに腎保護作用の違いはないということです。
降圧効果も、65歳以上のCKD群では、アムロジピン併用で、血圧が低くコントロールできていた。

CKD進行予防には、RAS阻害薬を使いつつ、より血圧をコントロールするということになるのではないでしょうか。


1) Renal outcomes with different fixed-dose combination therapies in patients with hypertension at high risk for cardiovascular events (ACCOMPLISH): a prespecified secondary analysis of a randomised controlled trial

2) Effects of Blood Pressure Level on Progression of Diabetic Nephropathy: Results From the RENAAL Study Arch Intern Med. 2003;163:1555-1565.

3) Effect of Ramipril vs Amlodipine on Renal Outcomes in Hypertensive Nephrosclerosis: A Randomized Controlled Trial JAMA. 2001;285:2719-2728.

医師ブログ20100225キューピー減塩食
  友人に送るためレトルトの減塩食を初めて購入。塩分1.5g前後。

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ACCOMPLISH-利尿剤は血圧治療のCornerstone

心血管イベントハイリスクな高血圧患者11506人に、ACE阻害薬ベナゼプリル20mgにアムロジピン5mgかハイドロクロロサイアザイド12.5mgを上乗せした研究で、第一報は2008年NEJMに、renal outcome は2010年Lancet に掲載。アムロジピン上乗せが、ハイドロクロロサイアザイドに比べ20%のリスク減少となり、2.9年で終了。

利尿剤による降圧が心血管イベントを抑制する結果は十分あり、なぜ両群で大きな差がついたか、エディトリアル2)や、correspondings でも議論となっていた。


ALLAT  では、chlorthalidoneが使われていて、chlorthalidone25 mgは、ハイドロクロロサイアザイド 50mg と同等の降圧作用で、ハイドロクロロサイアザイドは、chlorthalidoneに比べ降圧効果が弱いということです。エディトリアルには、随時血圧は 同じでも、24時間血圧降下作用が、アムロジピンに比べ、ハイドロクロロサイアザイドが劣っていた可能性について書かれています。


エディトリアル にありますが、利尿剤は50年間、血圧治療のcornerstone でありました。どの薬剤をどういう容量で組み合わせていくかが、今後重要となるところと思う。Chlorthalidone(日本未発売)に比べハイドロ クロロサイアザイドは、心血管イベントに対してエビデンスがあまりないのでは。最近、ARBとハイドロクロロサイアザイドの合剤が発売されているが、大規 模スタディの結果が待たれるところです。


1) Benazepril plus Amlodipine or Hydrochlorothiazide for Hypertension in High-Risk PatientsN Engl J Med 2008; 359:2417-2428
2) Does It Matter How Hypertension Is Controlled? N Engl J Med 2008;359:2485-2488

3) Major Outcomes in High-Risk Hypertensive Patients Randomized to Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitor or Calcium Channel Blocker vs Diuretic JAMA. 2002;288:2981-2997.

4) Treatment of Hypertension in Patients 80 Years of Age or Older N Engl J Med 2008;358:1887-98.

医師ブログ20100224salt desert Photoexpress, Salt desert Uyuni

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大腸がんのスクリーニング

糖尿病外来通院中に明らかになるがんは、高齢者では、大腸がんが一番多いという印象を持っています。スクリーニングの便潜血検査や、血算を含めた採血を頻回にしているので、貧血に気がつきやすいためか。

NEJMの2009年9月17日号の総説1)で、MutY homolog (MUTYHあるいはMYH) polyposis を初めて知った。MYH proteinはoxidative damageを受けたDNAの修復に働き、germ-line MYH allelesが二つとも不活化されている人は、60歳までにほぼ100%、大腸がんを発症する2)ということです。また、大腸がん発症に関与する tumor-suppressor genesや oncogene が数多く明らかになっています。

 

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プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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