自己血糖測定器は国際規格 ISO 15197 に準拠している。

糖尿病学会のセミナーで血糖自己測定の講演を聴いてきました。愛媛県立今治病院 清水先生の御講演でした。

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膵島は血管、α細胞、β細胞の三層構造

組織像の写真で平面の膵島内の配置は良く目にしていて、典型的には、β細胞が中心にα細胞が辺縁にある構造です。
なかなか3次元構造をイメージしていくのは想像力が必要ですが、膵島の3次元構造の論文が、Diabetes 5月号にでていました。

膵β細胞がα細胞と血管に挟まれた三層構造(Trilaminar plate)となっています。
β細胞層には血管内皮細胞入り込んでいない。α細胞は直接血管とコンタクトあり。
α細胞の38%がβ細胞に包まれて存在していたということでした。


2次元構造を見ていたときは、周辺なるβ細胞だけがα細胞と情報交換しているイメージでしたが、これだけ接していると、血糖調節におけるα細胞の役割も大きいと感じます。

Fig.7. ヒト膵島内分泌細胞のモデル α細胞 (green), β細胞 (red), 血管(blue)

 医師ブログ20100529_2010may_Diabeetes

Unique arrangement of alpha- and beta-cells in human islets of Langerhans. Diabetes. 2010 May;59(5):1202-10. Epub 2010 Feb 25.



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糖尿病診断基準の改定 (2)― HbA1c は空腹時血糖値、糖尿病後2時間血糖値と相関する。

527日午前の診断基準改定の発表の際にひかれていたのは、2000年の伊藤千賀子先生の論文。本文にはアクセスできないので、アブストラクトからまとめました。

Correlation among fasting plasma glucose, two-hour plasma glucose levels in OGTT and HbA1c. Ito C, Maeda R, Ishida S, Sasaki H, Harada H. Diabetes Res Clin Pract. 2000 Dec;50(3):225-30.


1980年から1998年の間に施行された、13174人の糖負荷試験(OGTT)の結果から、回帰方程式(regression equation) を作成。

 

2時間血糖値 200 mg/dl の場合、空腹時血糖は、

60歳未満 124.3 mg/dl

60歳以上 118.7 mg/dl

 

空腹時血糖値 126 mg/dl の場合、2時間血糖値は

60歳未満で199.5 mg/dl

60歳以上で210.7 mg/dl

 

60歳未満で、

HbA1c 6.0% は、空腹時血糖値 121.7 mg/dl2時間血糖値 193.2 mg/dl

HbA1c 6.1% は、空腹時血糖値 124.4mg/dl2時間血糖値 199.3 mg/dl

 

HbA1c は空腹時血糖、2時間血糖値と非常によく相関するので、HbA1c 6.1%以上は、糖尿病の可能性が高い。

“As for association between HbA1c and FPG or 2h-PG being high correlation, it is possible to estimate a prevalence of DM in a group using HbA1c 6.1%.”


医師ブログ20100528糖尿病診断基準20100527_4

5月27日午前の総会後、新しい糖尿病診断基準の発表がありました。

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糖尿病診断基準の改定は7月1日から

糖尿病学会年次学術総会(岡山)に行ってきました。糖尿病診断基準改定の発表がありました。

 

HbA1c 6.1% を診断基準に盛り込むが、当面、臨床のHbA1cは、現在のJDS値を使う。JDSNGSP値の併記は行わない。ある時期が来たら(各学会の合意が得られたら)、一斉にNGSP値へ移行する。講演では、時期の目安は明言されず。

・平成2271日より診断基準の改訂

・英文学術誌への投稿、国際学会の発表は、H227月よりNGSP値へ移行する。

 

感想。

71日、1ヶ月後から診断基準変更と予想外に早かった。

 

現行のJDS値が使われ、HbA1c 6.1%単独では糖尿病の診断とならないので、あまり混乱はないと思う。HbA1c 6.1%の人にOGTTを勧めやすくなっている。ファジーなまま進むより、早く診断をつけてライフスタイル介入始める方がいいと思う。NGSP値への切り替えの時には、糖尿病患者さんへの説明が必要なので、今から徐々に準備しないといけない。

 

ADAの診断基準では、A1c ( NGSP) 6.5% 単独で糖尿病の診断となる。日本の診断基準は、HbA1c値はADAと揃えるが(A1c (NGSP) 6.5%HbA1cJDS6.1%)、血糖の値が従来の基準を満たさないと糖尿病としない点で、ADAの診断基準と一線を画した。(このことは清野裕先生の講演でも強調されていた。)

 

各学会の合意が得られたら、臨床でもNGSP値へ以降するが、国際的な発表はNGSP値への切り替えを71日より始めるので、糖尿病学会は先がけて国際化に進んで行くというメッセージを感じた。

 

この学会で診断基準の発表があるのはわかっていたがどの講演なのかアナウンスされていなかった。朝10時の総会直後、「ここでプログラムにはありませんが、」と、診断基準の発表が始まった。改定日や、NGSP値を当面は使わないことなどはじめて聞くことが多かった。直接聞くことができ、早く行った甲斐があった。

 

聞きたいことも聞けたし、2時間の昼休みがあり、後楽園へ。広々とした名園でした。

日本の糖尿病診断基準の変更案について

医師ブログ20100527

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フィブラートは冠動脈疾患には有効

高中性脂肪血症は心血管イベントのリスクである事は、Lancet 58日号のApoA5 SNPS 解析で示されている。Lancet on line first の記事で、フィブラートのメタ解析が載っていて

18トライアル、45000人の解析結果で、フィブラート治療は、

 

major cardiovascular events10%、冠動脈イベントで13%のリスク減少を認めた。

脳卒中、心不全、全死亡、血管死亡、突然死の発症リスクを下げない。

尿アルブミンの進行14%低下、糖尿病性網膜症のリスク37%低下を認めた。

ACCORD ではstatin therapyroutineに入っていためbenefits が示せなかった

糖尿病での腎機能低下を遅らせるHard endpoint となる透析導入への影響は不明

 

感想

メタアナリシスなのでこれまで、FIELD study などで言われていたことのまとめとなっている。冠動脈疾患のみ予防、脳卒中、全死亡は抑制せずという結果です。

 

一方スタチンでは、心血管イベント、脳卒中抑制を示している。

糖尿病患者の脂質管理に関してADArecommendation も、LDLをスタチンで治療することを中性脂肪治療より優先させている。

Triglycerides levels < 150 mg/dl and HDL cholesterol > 40 mg/dl in med and > 50 mg/dl in women, are desirable. However, LDL cholesterol-targeted statin therapy remains the preferred strategy. (C)"

 

フィブラートは、中性脂肪が高くHDLが低い人にはある程度のbenefits があると思う。

スタチンの方が、エビデンスがあり、フィブラートとスタチンは併用できないので、フィブラートを処方する時は迷うことが多い。心血管リスクの低い若年者で、TGが常に高ければ適応となるかと思う。

 

Effects of fibrates on cardiovascular outcomes: a systematic review and meta-analysis. Lancet. 2010 May 10. [Epub ahead of print] 

MEGA study の記事(日経メディカル)

JUPITER の記事(日経メディカル)


医師ブログ20100525  PhotoXpress

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プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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