GLP-1の細胞内シグナル(2)

学会のセミナーで、GLP-1が、cAMPだけでなく、細胞内カルシウム、 ATPも上昇させるとの説明がありました。
GLP-1のインスリン分泌に関係する細胞内シグナルをまとめなおしてみました。

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β細胞量が50%減少で、耐糖能異常となる。

糖尿病学会のシンポジウムでは、Peter Butler先生が、β 細胞量 (β cell volume)について講演されていました。
剖検の結果から、β 細胞が、~50%減少で耐糖能異常(IGT)、~65%まで減少(35%残存)で Type2 DM 発症としていました。

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軽量型CGMの発売、新型のインスリンポンプ、プログラム付インスリンポンプに対する診療報酬改定

糖尿病学会に行ってきてのまとめです。
①軽量、小型の持続血糖モニターが発売となった。
iPro®2 Professional CGM
http://professional.medtronicdiabetes.com/hcp-products/ipro2
 
②新型のインスリンポンプ Paradigm Vero 
CGM と連動し、低血糖時にポンプ2時間停止機能がある。
すでに低血糖となっているときに、必要以上のインスリン注入が行われない。日本での発売はまだ。
http://www.medtronic-diabetes.co.uk/product-information/paradigm-veo/index.html
 
③4月の診療報酬の改定で、プログラム付インスリンポンプについて、在宅自己管理料と間歇注入シリンジポンプ加算の点数が引き上げられました。
プログラム付インスリンポンプは、在宅自己注射指導管理料の複雑な場合に相当し1230点、間歇注入シリンジポンプ加算 2500点となった。
これまで820点+シリンジポンプ加算1500点であった。したがって管理料で410点、ポンプ加算で1000点、合計1410点の加算増となった。
 
2012年4月の診療報酬の改定
在宅自己注射指導管理料】
     820 点 【在宅自己注射指導管理料】
     1  複雑な場合 1,230点(新)
     2  1以外の場合 820点
 
【間歇注入シリンジポンプ加算】
     インスリンポンプ1500点
     ブログラム付きポンプ2500点
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2012/017304.php
 

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インスリン分泌における視床の役割 (ventromedial hypothalamus, VMH)

食事開始10分後からインスリン分泌が始まるが、自立神経を介したcephalic phase とされる。一方、視床にはglucose-responsive neuron が存在するが、その役割は明らかになっていないことが多い。視床のglucose-responsive neuron について、 Diabetes 2月号に論文、3月号にレビューがでているのでまとめました。
まとめ
グルコース応答性インスリン分泌における脳の役割を明らかにするため以下の実験をおこなった。
ラットでIVGTTの30分前から、グルコース、グルコキナーゼ阻害薬glucosamine、 mannoheptulose を、脳室内に持続注入。インクレチン効果を排除するためIVGTTとした。

グルコース持続注入ではAUCで評価したIVGTT時のインスリン分泌は増加し、血糖値は低下した。グルコキナーゼ阻害薬では、acute insulin response は低下し、血糖の増加(変動)はやや大きかった。

ventromedial hypothalamus のインスリン受容体をchronic knockout すると高血糖刺激のインスリン分泌が低下する。GLUT4 をbrain レベルで欠失させるとグルコースセンシ
ングと耐糖能異常が認められる。
これらの結果は視床のinsulin-responsible glucose-sensing mechanism を明らかにしている。
視床は血糖をコントロールするため、膵島ホルモン分泌を制御している。

一方、食後、末梢での急速な血糖の上昇がインスリン分泌をinitiate するという考えもある。その後に続くインスリンと血糖の上昇が視床のglucose-responsive neuron でのglucose uptake を増やしさらなるインスリン分泌増強がおきる。

中枢でのインスリン抵抗性が存在すると、視床でのglucose uptake が減り、グルコース応答性インスリン分泌低下に関与するかもしれない。

1. Hypothalamic Regulation of Glucose-Stimulated Insulin Secretion
Diabetes March 2012 61:564-565
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/61/3/564.extract
 
2. Is Insulin Action in the Brain Clinically Relevant?
Diabetes April 2012 61:773-775; doi:10.2337/db12-0048 
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/61/4/773.extract
 
3. インスリン分泌のcephalic phase

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スタチンによるベネフィットと糖尿病発症リスク

スタチンが新規糖尿病発症リスクとなっている可能性も示されています。
NEJM誌のレビューでは、スラチンによる糖尿病発症リスクを研究することは重要なことだが、糖尿病でスタチンを使った脂質管理は、心血管イベント抑制のベネフィットがあり、スタチンを使っていくべきという内容です。
 
まとめ
スタチンは2400万人のアメリカ人に処方されている
LDLコレステロールを1mmol(39mg/dl)下げると、糖尿病患者で9%、非糖尿病患者で13%、心血管イベントを低下させる。

13のランダマイズドトライアル(参加者91140人)で糖尿病の新規発症のオッズ比は1.09
LDLコレステロールの変化と糖尿病発症リスクは関係しない。
新規糖尿病発症例は年齢が高く、空腹時血糖も高め、metabolic syndrome のfeatureをもっている。

細胞レベルでスタチンがインスリン分泌を抑制し、インスリン抵抗性を悪化させる可能性も示唆されている。しかしeuglycemic hyperinsulinemic clamp では、スタチンがインスリン感受性を変化させるというデータはない。
何らかのoff-target effect も関与しているのかもしれない。

糖尿病発症リスクをみたクリニカルトライアルの期間は比較的短いのに比べ、実際のスタチン使用は何年にも及ぶ。
糖尿病は重大な健康上の問題だが、スタチンによる脂質管理は心血管イベントを減らし、生存率を上げる。
現在のデータは糖尿病と診断された際に、スタチン治療を中止することを示唆するものではない。
 
Statins: Is It Really Time to Reassess Benefits and Risks? Allison B. Goldfine, M.D.
N Engl J Med 2012; 366:1752-1755
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1203020

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プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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