グルカゴンの視床下部を介した糖新生抑制作用

肝臓で、グルカゴンは、cAMP 上昇を介してグリコーゲン分解を促進、グリコーゲン合成を抑制、糖新生を促進する。3)
一方、視床下部にもグルカゴン受容体が発現しており、神経を介して肝臓の糖産生 (Hepatic glucose production) を抑制しているというはじめての報告です。
 
Mediobasal hypothalamus (MBH) には、グルカゴン受容体、cAMP、PKA が発現している。
MBHにグルカゴンを注入すると、肝糖産生(hepatic glucose production, HGP) は抑制される。
末梢、中枢へのグルカコン注入は摂食量を落とす。
 
グルカゴンは末梢でインスリンの代謝作用に拮抗する。
しかし中枢では、摂食量や肝糖産生を抑制することにより、インスリンとグルカゴンは、グルコースとエネルギーホメオスターシス維持にはたらいている。
 
1. Hypothalamic glucagon signaling inhibits hepatic glucose production. Mighiu PI, Yue JT, Filippi BM, Abraham MA, Chari M, Lam CK, Yang CS, Christian NR, Charron MJ, Lam TK. Nat Med. 2013 Jun;19(6):766-72.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23685839
 
2. グルカゴンは肝臓のグルコース産生に「陰と陽」の作用を及ぼす
http://www.nature.com/nm/journal/v19/n6/standfirst/nm.3202_ja.html?lang=ja 

3. Joslin's Diabetes Mellitus, Lippincott Williams & Wilkins; 14版

続きを読む

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

β細胞の量の低下か機能異常か

Doulas Melton のレビュー1)で引かれていた、2型糖尿病の総説 (Ashcroft FM, Rorsman P , 2012) 2)はここ10年のトピックスが分かりやすく解説されていた。糖尿病の発症原因としてβ細胞量が注目されているが、Cross sectional なデータであって、longitudinalなデータがない。膵島の機能異常が主原因という考え方もある。
 
また、β細胞量は個人差が大きいが、一般にヒトのβ細胞の増殖能は5歳でピークとなり年齢とともに減少する。数式モデルでは、20歳までにβ細胞数は決まり、マウスに比べ遥かに寿命が長いことが報告されている。

続きを読む

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

インクレチン関連薬で、膵がん、膵炎リスクは増加しない。(NIDDK のミーティング)(改訂)

National Institute of Diabetes, Digestive and Kidney Diseases (NIDDK)のミーティングでは、インクレチン関連薬で膵がん、膵炎リスクが増加することはないという結果。インタビューをうけた二人の専門家が明らか にした。しかし最終的な結論にいたるには長期データが必要とのことです。(Medscape の記事より)

続きを読む

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

インクレチン関連薬と膵炎、膵がんリスク(BMJ)

BMJは、インクレチン関連薬と膵炎、膵がんに関する2報を掲載、両者の直接の関連については否定している内容です。

続きを読む

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

1型糖尿病の発見 (The Discovery of Type 1 Diabetes)

Lancet のDr. Gale の記事、「2型糖尿病は、heterogeneousな病態を含んでおり、すべてにフィットするガイドラインは難しい。2型糖尿病特有の特発性高血糖は疾患と考えるのはやめて、肥満、高血圧、高血糖、高脂血症のphenotype に対応した結果と考えたらどうでしょう。」という radical な意見でした。1)
その記事の中に、1型糖尿病と2型糖尿病がはっきり区別されたのは、1970年代であるという記載がありました。
それは意外に最近の事だったことに気づき、元論文2)を読んでみました。

続きを読む

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

最新記事
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
97位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
13位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム