α細胞では、KATP channel の閉鎖がグルコースによるグルカゴン抑制に重要

α細胞で、グルコースが代謝され、ATP/ADP 比が上昇し、KATP channelが抑制(閉鎖)されることが、グルコースによるグルカゴン分泌抑制に必要であることが示されている。(Zhang Q et al., Cell Metab. 2013)

その根拠として
① Mannoheptulose は、グルコースのリン酸化を抑制する。
単離したα細胞で、Mannoheptulose 添加すると、グルコース1 mMに比べた、6 mMでのグルカゴン分泌抑制がみとめられなくなる。
② Mitochondrial uncoupler、FCCP添加でも同様である。
③ Torbutamideが、グルカゴン分泌を抑制し、Diazoxide がその効果を打ち消す。
 
α細胞で、KATP channelの閉鎖が、グルカゴン分泌抑制となる理由
α細胞の活動電位は、voltage-gated Na + channel に依存している。
グルコースによりKATP channelが抑制され、membrane depolarizationが生じ、voltage-gated Na + channel の活動電位高さが抑制される。
 
グルカゴン分泌 (exocytosis) は、voltage-gated Ca channel を介したカルシウム流入に依存している。
voltage-gated Na + channel の活動電位高さが抑制された結果、voltage-gated Ca channelが inactivate される。
 
KATP channel の閉鎖は、β細胞でインスリン分泌となり、α細胞でグルカゴン分泌抑制となる。
KATP channel はそれぞれの細胞で別々の役割 (dual role) を担う。
 
生理的には、インスリンとソマトスタチンのパラクラインによるグルカゴン分泌抑制も重要である。
SSRT2 agonist はグルカゴン分泌を抑制する。
β細胞から分泌されるGABAもグルカゴン分泌を抑制する。
 
Zhang Q, Ramracheya R, Lahmann C, Tarasov A, Bengtsson M, Braha O, Braun M, Brereton M, Collins S, Galvanovskis J, Gonzalez A, Groschner LN, Rorsman NJ, Salehi A, Travers ME, Walker JN, Gloyn AL, Gribble F, Johnson PR, Reimann F, Ashcroft FM, Rorsman P. Cell Metab. 2013 Dec 3;18(6):871-82.  Role of KATP channels in glucose-regulated glucagon secretion and impaired counterregulation in type 2 diabetes.

感想
電気生理の実験結果が難解でした。KATP channel がα細胞とβ細胞で役割を変えている点が興味深い点です。
この論文のauthor、Rorsman 先生が5月の糖尿病学会で、グルカゴンルネッサンスのセッションで講演されます。
 
 



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高脂肪食でのインスリン分泌にはEpac2が重要

Epac2 が、通常食と高脂肪食でインスリン分泌での役割を変えているという論文、
全身のEpac2欠損マウスで、通常食では、グルコース刺激によるインスリン分泌は保たれるが、GLP-1によるインスリン分泌のpotentiation が損なわれる。高脂肪食では、グルコース刺激インスリン分泌が低下している。高脂肪食ではEpac2 の役割がさらに重要となる。

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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