朝食をとることが、2型糖尿病の食後血糖管理には望ましい。

2型糖尿病、22人のクロスオーバースタディ、朝食摂取に比べ、朝食の未摂取では、昼食後、夕食後の血糖値が高く、インスリン、intact GLP-1が低い。グルカゴン、遊離脂肪酸は高くなる。
朝食をきちんとることが2型糖尿病の食後血糖低下の良い方法となる。

“Breakfast consumption could be a successful strategy for reduction of PPHG in type 2 diabetes."

Daniela Jakubowicz at al. Fasting Until Noon Triggers Increased Postprandial Hyperglycemia and Impaired Insulin Response After Lunch and Dinner in Individuals With Type 2 Diabetes: A Randomized Clinical Trial Published online before print July 28, 2015, doi: 10.2337/dc15-0761

コーヒーの摂取は糖尿病発症を低下させる。

250ml以上のコーヒーを10年間摂取すると、糖尿病発症リスクは54%低下する。
コーヒーの抗炎症効果のある成分によると考えられる。


インスリングラルギンリリー、ランタスXR、デュラグルチド

インスリングラルギンリリー
グラルギンのバイオシミラー (インスリンなど高分子化合物で、ジェネリックに対応する用語)

ランタスXR

サノフィ社からはグラルギンの1ml 300単位製剤、ランタスXRが発売予定。
グラルギンはpH7.4で沈殿し(等電点沈殿)、徐々に六量体、二量体、単量体と解離していく。

通常のインスリン製剤より、三倍に濃縮したことで、ランタスXR沈殿物の表面積はランタスよりも50%小さくなり、解離速度が低下し、作用時間が長くなっている。

以下の引用では、ランタスXRは Gla-300となっています。
"The PD mirror effect was a smoother and longer glucodynamic effect with Gla-300. This is possibly explained by the fact that the three times more concentrated insulin Gla-300 results in a two-thirds lower s.c. spheric depot with a surface area reduced by 50% as compared with Gla-100, with consequent slower and more prolonged insulin absorption of Gla-300.”1)

グラルギンに比べランタスXRは、10-17%インスリン量が増え、体重増加は少ない。 インスリン量が増えることに関しては、ランタスXRが、完全に吸収されずに局所で分解してしまう可能性もある。体重増加が少ない理由として、低血糖が少ないため補食が減るこという説明はあたらない。なぜならランタスXRが低血糖のリスクを減少させる報告もあるが、減少させないという報告もあるからである。

"These results are achieved on Gla-300 with a 10–17% greater insulin dose and less increase in body weight, a difference modest in absolute terms (∼0.26 kg in T2D, ∼0.56 kg in T1D) but consistently present in all EDITION studies and statistically significant. It might be that some of the Gla-300 is degraded locally rather than fully absorbed. The slight reduction in weight gain is awaiting a mechanistic explanation. It is unlikely that it is the result of less compensatory food intake needed to counter hypoglycemia, as it was seen both when Gla-300 reduced the risk for hypoglycemia (14) and when it did not (13).”1)

ランタスXRは1ml 300単位、ペン型の製剤1本は、1.5ml 450単位。

デュラグルチド (商品名トルリシティTRULICITY、デバイス名アテオスATEOS)

デュラグルチドは、週1回注射のGLP-1受容体作動薬
すでに発売されている週1回製剤ビデュリオンは、インスリンとの併用不可に対して、デュラグルチドは2型糖尿病でインスリンとの併用可能、1型糖尿病は保険適応なし
1回注射量0.5mlを注入できるペン型注射器がデバイス名アテオス

1. Bolli GB, DeVries JH. New Long-Acting Insulin Analogs: From Clamp Studies to Clinical Practice Diabetes Care. 2015 Apr;38(4):541-3.

2. Becker RH et al. .New insulin glargine 300 Units · mL-1 provides a more even activity profile and prolonged glycemic control at steady state compared with insulin glargine 100 Units · mL-1. Diabetes Care. 2015 Apr;38(4):637-43.




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シタグリプチン服用で、心血管イベントはプラセボと非劣性、心不全入院は増加しない。(TECOS Study)

TECOS Study
A1C 6.5-8% 年齢50歳以上、メトフォルミン、ピオグリタゾン、スルフォニルウレアの2剤まで、あるいはインスリン (メトフォルミン併用可)で、血糖コントロール安定している14671人にシタグリプチンあるいはプラセボの服用を開始。

プライマリーアウトカムは心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、不安定狭心症による入院。

フオローアップ3年、least square methodによるA1Cの差は0.23%

プライマリーアウトカムでシタグリプチンはプラセボに対して非劣性、心不全による入院、重症低血糖は二つのグループで差はない。
急性膵炎はまれな疾患 (uncommon) で、シタグリプチンで発症が多いが有意差なし。

Green JB et al. Effect of Sitagliptin on Cardiovascular Outcomes in Type 2 Diabetes.
N Engl J Med. 2015 Jul 16;373(3):232-42.

VADT 10年後のフォローアップ、強化療法群で心血管イベントが17%減少するが、従来療法群と死亡率は変わらず。

VADT5.6年の期間で、強化療法と従来療法のA1Cの差は、1.5% (6.9% vs. 8.4%)
スタディ終了3年後には、0.2-0.3%まで縮小した。

約10年のフォローアップ後、強化療法群で、心血管イベントが17%減少した。
総死亡率は有意差なし。

VADTでLegacy effect が示されたとするのは正しくない。
・スタディ終了後の強化療法と従来療法群のA1Cの差はゼロではない
・Statistic power が充分でない。

フォローアップスタディで強化療法群の心血管イベント減少が示されたのは、ACCORD とUKPDSと同様の結果となっている。A1Cの差が1.5%と大きくついたことがその理由と考えられる。

これまでの報告で、A1C 1%低下させるごとに非致死性心筋梗塞発症が15%減少するとされている。

Hayward RA et al. Follow-up of glycemic control and cardiovascular outcomes in type 2 diabetes. N Engl J Med. 2015 Jun 4;372(23):2197-206.
プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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