エンパグリフロジンは心不全の既往にかかわらず心不全による入院、心血管死を抑制する。

EMPA-REG OUTCOME trialで、エンパグリフロジン empagliflozin は、心不全の既往にかかわらず、心不全による入院、心血管死を抑制している。

エンパグリフロジンの以下の作用が、上記の結果の Potential contributor としてあげられている。
・浸透圧利尿が、循環血漿量とナトリウム保持に影響し、心腎連関軸(cardio-renal axis) を変化させる。
・動脈のstiffness、心拍数 x 血圧 (the rate pressure product) の低下は、左室の後負荷を減少させる。
・交感神経活性上昇なしに、体重、血圧を減少させる。
・インスリン値の減少を伴って高血糖とインスリン抵抗性を改善させる。
・尿酸値を低下させる。

心不全による入院、心血管死の減少は投与初期から認められ、動脈硬化の改善によるものではないと推測される。

Heart failure outcomes with empagliflozin in patients with type 2 diabetes at high cardiovascular risk: results of the EMPA-REG OUTCOME® trial
http://m.eurheartj.oxfordjournals.org/content/early/2016/01/26/eurheartj.ehv728

GLP-1受容体作動薬は、交感神経刺激の他に洞房結節に直接作用し心拍数を増加させる。

リラグルチドあるいはリキセナチドの注射前後で、60人の2型糖尿病患者にホルター心電図を施行した。
心拍数増加はリラグルチド注射後、終日続き、リキセナチドで5時間のみ認められる。

交換神経活性化時は、LF/HF ratioが上昇する。
リラグルチドでは24ポイント中16ポイントでLF/HF ratioの変化が認められたが、リキセナチドではどのポイントでも変化が認められなかった。

GLP−1受容体作動薬による心拍数増加は、交感神経刺激だけでなく、洞房結節に対する直接刺激により生じる。

Nakatani Yet al. Effects of GLP-1 Receptor Agonists on Heart Rate and the Autonomic Nervous System Using Holter Electrocardiography and Power Spectrum Analysis of Heart Rate Variability Diabetes Care. 2015 Dec 17. pii: dc151437. [Epub ahead of print]

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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