原発性卵巣機能不全と動脈硬化、骨粗しょう症

原発性卵巣機能不全は漠然とした理解しかなかったので勉強してみました。

エストロゲン不足から骨粗鬆症や動脈硬化を起こしやすく、 Women’s health care に重要な疾患である事がわかりました。

 

まとめ

原発性卵巣機能不全は100人に1人に起こる。FSHが更年期レベルまで上昇、エストロゲンが低いが、明確なDiagnostic criteriaはない。50%の症例では卵巣が間欠的に機能する。Oral contraceptive 服用中に妊娠した報告もあり、高いFSHoral contraceptive服用で抑制すことができなかったためと推定されている。

 

病態としては卵胞機能不全(follicle dysfunction)か、欠失(depletion)。

卵胞機能不全の中では、

1. 卵胞の黄体化(luteinized

2. 自己免疫性卵巣炎(autoimmune lymphocytic oophoritis)―副腎の自己免疫と関連(adrenal autoimmunity)が多い。

早発閉経は骨折や虚血性心疾患による死亡率を上げる。

Randomized trial の結果はないが、若い女性の発性卵巣機能不全の症例には、閉経の年齢まで生理的なエストロゲン、プロゲスティン補充療法を行うことが望ましい。

 

骨折については、骨密度(bone mineral density)を測定し、運動、カルシウム摂取、ビタミンDレベルを上げて予防する。North American Menopause Society では

カルシウム 1200 mg /daySerum 25-hydroxyvitamin D 30 ng/ml以上、(75 nmol/l以上)を推奨。

 

自己免疫性卵巣炎は、他の自己免疫疾患の合併を注意。(dry-eye syndrome、自己免疫性甲状腺疾患など)

参考 Primary Ovarian Insufficiency N Engl J Med 2009;360:606-14.

感想

女性ホルモンは、動脈硬化や骨粗しょう症と関与している。卵巣機能不全は婦人科だけでなく内科もかかわっていかないといけないと思う。

ビタミンD測定は日本では保険収載されていないが、血中ビタミンD濃度と糖尿病の関連を示唆する論文も多数出ているので、日本でも測定できようになることが望まれます。

医師ブログ20100329  PhtoXpress

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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