CTによる冠動脈造影と血管カテーテル検査の比較 / 冠動脈血管カテーテル検査での冠動脈閉塞陽性率は37.6%

循環器科へのコンサルテーションで、循環器専門施設ではCTを使った冠動脈閉塞の評価が一般化してきているので、勉強してみました。

 

1 の 論文では、291人にMultidetector CT angiography (MDCT) で定量的解析後、従来の冠動脈血管カテーテル検査をおこなっています。

MDCTで は、普段の脈拍が70/分以上ある人にはβブロッカーを使って脈拍を落とし、検査中に脈拍80 /分以上となっている場合は解析から外しています。

 

MDCTpositive predictive value 91%negative predictive value 83%と いう結果。

negative predictive value 81%だと、MDCTで正常でも、血管カテーテル検査で指摘しうる病変があるということで、MDCTは血管カテーテル検査の代替とはならないという結論でした。

 

冠動脈血管カテーテル検査について、最近出た論文2 では、アメリカの398978人の解析 で、37.6%に血管カテーテル検査で冠動脈狭窄を指摘。冠動脈閉塞を認めない人も39.2%

血管カテーテル検査は侵襲も大きい検査にもかか わらず検査の陽性率が低いので、なんとか陽性率を上げるためリスク層別化(stratification) の戦略が必要ということでした。

 

非侵襲検査(noninvasive testing)83.9%の 人が受けていて、非侵襲検査が陽性だと、冠動脈血管カテーテル検査はやや上昇する41.0% vs 35.0%。非侵襲検査には虚血時、安静時の心電図、心エコー、CTが含まれるが詳細は不明。MDCTの論文を見るとMDCT陽 性なら血管カテーテル検査も陽性となることが多いわけですが、安静心電図、心エコーだと、確実な冠動脈閉塞を予測するのは難しいと思われます。

 

この論文のエディトリアル3)で、20099月にMDCTnegative predictive value 99%であるという論文4) があることが示されていて、やはりMDCTは冠動 脈血管カテーテル検査へ進む前検査として期待されていました。

 

1. Diagnostic Performance of Coronary Angiography by 64-Row CT N Engl J Med 2008;359:2324-36.


2. Low Diagnostic Yield of Elective Coronary Angiography N Engl J Med 2010;362:886-95.


3. 2007 Chronic Angina Focused Update of the ACC/AHA 2002 Guidelines for the Management of Patients With Chronic Stable Angina J Am Coll Cardiol, 2007; 50:2264-2274


4. The Role of Coronary CT Angiography in Triage of Patients With Acute Chest Pain Rev Esp Cardiol. 2009 Sep;62(9):961-5.


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N. Ishizuka

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糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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