グルコキナーゼ遺伝子変異女児に認められた膵島肥大

グルコースが膵島の増殖因子となることは以前から知られていた。ジョスリン糖尿病学によると、1938年に、グルコースの持続注入により膵島組織が増殖したという報告があります。

4月8日号のNEJMには、新奇のグルコキナーゼ遺伝子変異(V91L)により、新生児低血糖症を起こした女児の膵島肥大を報告しています。この変異により、グルコキナーゼはワイルドタイプに比べ8.5倍グルコースに対して親和性、7倍のenzyme activity を示すということです。

グルコキナーゼ遺伝子変異(V91L)

Mean islet area (head)7705 μm2
Mean islet area (tail) 7048μm2
TUNEL
陽性β細胞も認める

 

年齢をマッチさせたこれまでの報告
膵疾患なし 1160~ 1197μm2
ABCC8 mutation 769~859 μm2

過去のグルコキナーゼ遺伝子変異4例では組織像は正常だが定量評価なし

グルコキナーゼ遺伝子の変異膵島では、グルコースに対する親和性、enzyme activityが上がりグルコースシグナルが増強しているため、膵島肥大が起こったというspeculationでした。

Large Islets, Beta-Cell Proliferation, and a Glucokinase Mutation N Engl J Med 2010; 362:1348-1350

Joslin's Diabetes Mellitus Lippincott Williams & Wilkins; Fourteenth Edition (2004/01)

医師ブログ20100409

往診の途中の風景 

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糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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