ダビガトランとワーファリン(RE-LY)

内科学会に行ってきました。脳卒中の講演では、やはりトロンビン競合阻害薬ダビガトランの期待が高く、来年後半には日本発売になるのではないかとのこと。

ダビガトランは、ワーファリンと同等あるいはより優れた効果で、副作用が少ない。INRのモニターが必要なく、抗血小板療法のように使える見込み。


ダビガトランとワーファリンの比較 (RE-LY)

心房細動患者で、脳卒中、全身塞栓症をプライマリーアウトカムとしたスタディ。

ダビガトラン110mg twice daily はワーファリンと非劣性、150mg twice dailyはワーファリンより有効。

Major bleeding はダビガトラン110mg twice dailyで若干多く、150mg twice dailyは有意差なし。脳出血では、ダビガトランはワーファリンの三分の一。

 

ダビガトランの半減期は12-17時間。Cytochrome p-450 は関与しないので、食事、薬物相互作用、genetic polymorphism の影響を受けにくい。

P-glycoprotein inhibitor であるVerapamil, amiodaron, quinidine はダビガトランの血中濃度を上げる。

12回服用が必要なので、コンプライアンスの良くない患者にはワーファリンから変更するベネフィットは少ない。

 

感想

NEJMcorrespondence では、ダビガトランの薬価が高いことが指摘されていたが、一度脳血栓を起こすと患者さんと社会の受ける不利益は大きいので、医療費が上がることは許容されるべきものと思う。

 

Dabigatran versus Warfarin in Patients with Atrial Fibrillation N Engl J Med 2009;361:1139-51.

Can We Rely on RE-LY? N Engl J Med 2009;361: 1200-1202

Dabigatran versus Warfarin in Patients with Atrial Fibrillation N Engl J Med 2009;361:2671-2675

 東京フォーラム2階席から撮りましたが、実際はスライドが遠くて良く見えず、1階席に移動しました。

医師ブログ20100411


20110215 追記

ダビガトラン Dabigatran (プラザキサ Prazaxa) は3月末発売の見込み

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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