HbA1C国際標準化

東京歯科大学 市川総合病院 内科教授、武井 泉先生の御講演を聞いてきました。HbA1C測定法から、JDSNGSPの関係、今後の糖尿病診断基準の改定の見込みなど、非常に勉強になりました。文献などを検索して、HbA1Cの国際標準化についてまとめてみました。

 

1993DCCT で合併症予防のため血糖コントロールの重要性が示された。HbA1C測定の標準化も始まった。それまではHbA1C の統一された定義も決まっていなかった。


NGSPはアメリカの標準化を行った。NGSP Laboratory network は、DCCTA1C測定をになったミズーリ大学が中心。A1C(ラージエイワンシー)の表記を提唱している。

日本では、日本糖尿病学会(JDS) が1993年から標準化をおこなっている。現在は標準物質JDS Lot3を用いている。Mono-S は、スウェーデン中心 に使われている。

ADAEASDIDFは、IFCCHbA1C測定方法、表示方法(mmol/mol)を用いることをconsensus statement としてpublishしている。IFCCmmol/mol表示であり、臨床の場で用いられるようになるかは不透明。NGSP勢の巻き返しにもあっている。

IFCC : International Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine
NGSP: National Glycohemoglobin Standardization Program


IFCC(mmol/mol)10.19×NGSP(%)19.9

IFCC(mmol/mol)=10.39 × JDS(%)16.8

NGSP(%)1.019×JDS(%)0.3

JDS(%)0.0963×IFCC(mmol/mol)1.62

 

HbA1Cの定義

IFCCの定義に従う。

ヘモグロビンをエンドペプチターゼGlu-C で切断すると、ヘモグロビンβN端バリンを含んだ6個のアミノ酸残基が生成される。この6個のアミノ酸グルコースが結合したヘモグロビンをHbA1Cと定義する。

 

IFCC定義の採用により、従来HbA1Cに含まれていた、β17位セリンの糖化産物などは測定されないこととなった。またJDSの値は1995年当時のHPLC法の平均的な値を採用したが、当時のHPLC法では真の糖化ヘモグロビン以外の産物もHbA1C分画に含まれることが明らかになっている。そのため、IFCCの値をJDSと同じ%で表示すると、IFCC値はJDS値より低値となる。


日本での HbA1Cの測定法

① HPLC
免役法 シーメンスDCA 2000は抗ヘモグロビンA1C抗体を使って測定
酵素法


HbA1Cの施設間格差
Lot2を各施設測定した際の変動係数(Coefficient value, CV=標準偏差/平均値)は、3%前後。Lot3の解析結果は現在進行中。


1. 国際標準化と関連したHbA1c に関する本邦のアンケート調査 糖尿病487):541547, 2005

2. 日本内科学会雑誌 第98巻 第4号 725730, 2009

3. 病態解析研究所HP


メディカルトリビューンの記事(ログインが必要)

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1003/1003071.html

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0805/0805017.html

 

 

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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