転写因子Rfx6と糖尿病

NEJM2010年422日号では、転写因子Rfx6が、膵内分泌細胞の発生や糖尿病発症に非常に重要であることが示されていた。

Original の論文は
2010年211Nature誌で、German らが報告している。
Rfx6Ngn3の下流にあり、Rfx6が欠失すると生後2日以内に死亡。小腸の閉塞があり、膵臟では、クロモグラニン陽性細胞はあるもののInsulin, glucagon somatostatin ghrelinは認めない。 

ヒトでは、常染色体劣性遺伝を示す新生児糖尿病の6人の発端者(proband)の内、5人にRfx6変異を認めた。 

PDX1 Ngn3MafAは、膵内分泌細胞の発生に重要な転写因子 として知られており、Rfx6はその仲間入りをしたと評価されている。

1. Transcribing Neonatal Diabetes Mellitus Scharfmann R, Polak M. N Engl J Med. 2010 Apr 22;362(16):1538-9. PMID: 20410520 

2. Pfx6 directs islet formation and insulin production in mice and humans. Nature. 2010 Feb 11;463(7282):775-80.


3. In vivo reprogramming of adult pancreatic exocrine cells to beta-cells. Zhou Q, Brown J, Kanarek A, Rajagopal J, Melton DA. Nature. 2008 Oct 2;455(7213):627-32. 



2018/3/11追記
RFX6とカルシウムチャネル
RFX6 は、ヒトのβ細胞株でインスリン遺伝子発現とインスリン含量および分泌を制御している。
RFX6 knockdownしたヒトβ細胞株では、P/Q calcium channel (CACNA1A)、L-type calcium channel (CACNA1C、CACNA1D) の発現が低下し、カルシウムホメオシタシスや電気的活性化が障害される。さらにグルコキナーゼ、SUR1 (ABCC1)遺伝子の発現も低下していた。

Chandra V et al. RFX6 regulates insulin secretion by modulating Ca2+ homeostasis in human β cells. Cell Rep. 2014 Dec 24;9(6):2206-18.

 


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N. Ishizuka

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糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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