転写因子Rfx6と糖尿病

NEJM422日号では、転写因子Rfx6が、膵内分泌細胞の発生や糖尿病発症に非常に重要であることが示されていた。

Original の論文は211Nature誌で、German らが報告。

Rfx6Ngn3の下流にあり、Rfx6が欠失すると生後2日以内に死亡。小腸の閉塞があり、膵臟では、クロモグラニン陽性細胞はあるもののInsulin, glucagon somatostatin ghrelinは認めない。 

ヒトでは、常染色体劣性遺伝を示す新生児糖尿病の6人の発端者(proband)の内、5人にRfx6変異を認めた。 

PDX1 Ngn3MafAは、膵内分泌細胞の発生に重要な転写因子 として知られており、Rfx6はその仲間入りをしたと評価されていた。


感想

膵内分泌細胞の発生に重要な転写因子を前駆細胞や多分化能細胞に導入してインスリン産生細胞を作成していくことは、糖尿病対する再生医療の戦略となっている。

膵β細胞は一定レベルの血糖値に制御するようインスリンを分泌する非常に精巧な細胞で、皮膚などのようには再生医療は進んでいない。糖尿病治療に十分なインスリンを分泌できる細胞を作ることは困難な状況となっている。

Rfx6の様な膵内分泌細胞の分化に重要な転写因子がさらに明らかになっていくと、インスリン産生細胞の分化誘導の効率や、インスリン含有量を上げることが期待できると思う。 

1. Transcribing Neonatal Diabetes Mellitus Scharfmann R, Polak M. N Engl J Med. 2010 Apr 22;362(16):1538-9. PMID: 20410520

2. Pfx6 directs islet formation and insulin production in mice and humans. Nature. 2010 Feb 11;463(7282):775-80.


3. In vivo reprogramming of adult pancreatic exocrine cells to beta-cells. Zhou Q, Brown J, Kanarek A, Rajagopal J, Melton DA. Nature. 2008 Oct 2;455(7213):627-32.


Nature にはaccess できず、PubMed abstract を参照。



 

 

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N. Ishizuka

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糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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