自己血糖測定器は国際規格 ISO 15197 に準拠している。

糖尿病学会のセミナーで血糖自己測定の講演を聴いてきました。愛媛県立今治病院 清水先生の御講演でした。

サンプルによる誤差
自己測定器は末梢血全血の血糖値を測定、静脈血漿血糖値に換算して表示。

生理的には、血漿血糖値>全血血糖値。
(糖尿病専門医ガイドブックには、ヘマトクリット値が60を越えると全血が低値となるが、通常のヘマトクリットでは血漿血糖値と全血血糖値は差はないという成書もあるという記載になっている。追記20101117)

添加剤(へ パリン、NaFなど)入り採血検体など、末梢血全血でないサンプルを測定すると不正確になる。

ヘマトクリット値に影 響を受ける。

末梢血全血 は動脈血に近い。食後など急激に血糖値が変化しているときは、血糖測定器の値と、静脈血採血の値の差が大きくなる。



許容されている誤差
血糖自己測定器は、2003年に 発行された 国際規格 ISO 15197 に準拠している。
国際規格 ISO 15197 では、「血糖値75 mg/dl未満では、 ± 15 mg/dl、血糖値75 mg/dl以上では、 ± 20% 以内に測定値の95%以上が入っていること
となっている。

75 mg/dl より低い値が出た時は、± 15 mg/dlの誤差を考慮するべき。
血糖値200 mg/dl は、160~240 mg/dl、血糖値250 mg/dl は、200~300 mg/dlの可能性がある。

スライディン グスケールで、インスリン注射を行う場合は、血糖自己測定器の血糖値の誤差範囲が広い事を考慮し、狭いスケール幅(20mg/dl刻みなど)は避けた方が良い。

妥当なスケールの例
血糖値           Regular insulin (単位)
150~200 mg/dl      4
201~300 mg/dl      6
301mg/dl~           8


何時、 自己血糖測定を行うか。
測定のタイミングとしては、食後 1時間より、2時間の方が簡便である。

1週間の毎食前後のいろいろな組 み合わせが提示されていました。使用しているインスリンの種類によって勧める血 糖測定の時間は異なるということです。

機器の 特性を知る。

血液量が少ないと値を低く表示す る機器と、測定できない機器がある。


感想

血液ガスの残りの血液を、自己測定器で測っても値は正確かどうか怪しいことになります。
可能であれば、静脈血採血の検体を検査室に出すのが一番正確。
国際規格 ISO 15197 については今回初めて聞きました。自己血糖測定器の値はだいたい正確だと思っていましたが、そのだいたい正確の意味は国際的に定義されていて、意外と誤差範囲は広かった。
それを考慮して自己血糖測定器を使っていくことが必要だと感じました。

参考文献
国際 規格ISO15197に準拠した血糖自己測定 機器の測定値の精確さに関する検討 糖尿病 2005; 48: 507-511

ランチョンセミナーのお弁当。岡山のきび団子いり。和食らしい華やかな彩でした。

医師ブログ20100530岡山学会のお弁当_3















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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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