Beyond blood pressure カルシウム拮抗薬と脳卒中、ACE阻害薬と冠動脈疾患

6/20は、内科学会Bセッション行ってきました。
ACE阻害薬(ACEI)、ARB のpleiotropic effects は既に知られているところですが、2005年のHypertension 誌で、Beyond blood pressure という概念が提唱されていることを知りました。
論文中で血圧が同程度に降下した場合、冠動脈疾患の予防については、ACE阻害薬は、カルシウム拮抗薬(CCB)よりも優れており、一方脳卒中の予防については、カルシウム拮抗薬が、ACE阻害薬より優れているという結論です。

まとめ
179122人で、冠動脈疾患、脳卒中に関し、ACEI、CCBと利尿剤、βブロッカーあるいはプラセボと比較。
プラセボと比較すると、ACEIは冠動脈疾患リスクを21%低下させる。CCBは17%低下させるが有意差はつかず。
 
脳卒中に関して、CCBはプラセボに比べ35%低下、ACEIもプラセボに比べリスク低下(OR0.84, p=-0.020) CCBは利尿剤、βブロッカーに比べ、8%リスク低下(OR 0.92,  p=0.041)。
 
冠動脈疾患の予防は
収縮期血圧の減少 p< 0.01
ACEIの服用 p=0.028
 
脳卒中予防は、
収縮期血圧の減少 p= 0.01
CCBの服用 p=0.042  で説明される。
 
降圧は冠動脈疾患、脳卒中の根本的な治療となる。
ACEIは、動脈硬化進展抑制作用や、プラークの安定化作用がある。
血圧低下の枠を超え(over and beyond BP reduction)、ACEIは冠動脈疾患予防の点でCCBより優れ、CCBは、脳卒中予防の点でACEIより優れる。
 
感想
この論文の中では、CCBが脳卒中リスク低下を示す理由として、外来および24時間血圧低下と独立して頸動脈硬化の進展抑制をあげている。
今年、Lancet に掲載された、CCBによる血圧変動抑制も関与していると思う。
 


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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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