出生時低体重は糖尿病と関連

Diabetes 2009年6月号を参考に出生時低体重と糖尿病についてまとめました。1)2)
 
出生時低体重が、2型糖尿病の発症リスクとなる事は、 1990年代から指摘されていた。
イギリスの2つの調査では、64歳の男性で出生体重2.95 kg 以下で、高血圧、脂質異常症を合併した2型糖尿病発症リスクは、出生時体重4.31 kg以上の人に比べ、10倍以上となる。3)
 
 
胎児の成長は、母の血糖値に応じた児のインスリン分泌が影響している。
グルコキナーゼ遺伝子異常が、児のインスリン分泌に影響して出生時低体重となる事が指摘された。
1人の親にグルコキナーゼ遺伝子変異がある場合、新生児の体重は、533 g 減少する。4)
マウスでも同様の結果がある。5)

2007年、genome-wide association study の結果、2型糖尿病リスクSNPsがさらに明らかになっている。6)7)
これまで知られていた2型糖尿病のリスクSNPs、TCF7L2, GCK, PPARG, KCNJ11は出生時体重と関係しない。
 
リスクSNPs 、CDKAL1, HHEX/IDE, CKDN2A/B, IGF2BP2、SLC30ABと出生時体重について検討した。
CDKAL1、HHEX/IDE  出生時体重の減少と関係。8)
CKDN2A/B、IGF2BP2、SLC30ABは出生時体重とは関係ない
 
CDKAL1は、出生時体重の減少と関係は再確認されている。9)。
 


低体重児は児の膵でのグルコースセンシング、インスリン分泌不全、インスリン抵抗性 (Pancreatic glucose sensing, Insulin secretion, Insulin resistance) が原因となる。
生下時体重が低い事は Insulin resistant phenotypeである可能性がある。
生下時体重が低いとインスリン抵抗性,高血圧,冠動脈疾患と結びついている。
 


 

 

新規にIGF2BP2、CDKAL1、CKDN2A/B を指摘。
これまで知られていたTCF7L29、SLC30AB、HHEX/IDE、FTO、 PPARG、KCNJ11を確認。
 

新規にCKDN2A/Bの noncoding region、IGF2BP2のintron、CDKAL1のintronを指摘。
これまで知られていたHHEX/IDE、SLC30ABを確認。
 

 


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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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