空腹時血糖値70-100 mg/dl は心血管病リスクと関係しない。

Lancet 6月26日号では、空腹時血糖値と血管病 (vascular disease )リスクとの関係を報告している。

まとめ
102のプロスペクティブスタデイのメタアナリシスの結果、
糖尿病歴がない場合の cardiovascular risk 増加
70-100 mg/dl    なし
101-109 mg/dl   11%
110-125 mg/dl   17%
69 mg/dl 未満でも7%増加し、空腹時血糖値70-100 mg/dlがcardiovascular risk のベースラインとなる。
 
非糖尿病者での空腹時血糖値のベースライン(70-100 mg/dl)に比べ、糖尿病では、冠動脈疾患、脳卒中、他の血管死が約2倍に増加、脳出血のリスクも56%増加した。
 
LDLコレステロールは冠動脈疾患と強く相関(strongly relayed)、脳梗塞では中等度相関するが(moderately)、脳出血とは関係しないのと対照的。 
 
総コレステロール(non-HDL コレステロール)、収縮期血圧は、直線的に相関(log-linear association)、血圧、脂質のbasement levelは明らかでない。
 
糖尿病の有無で比較した冠動脈疾患のハザード比は、男性より女性、70歳以降より40-59歳、喫煙者より非喫煙者で高い。絶対的な血管病リスクが低いグループのハザード比をあげている。
 
糖尿病がある場合のハザード比で比較すると、Coronary death 2.31、非致死性心筋梗塞 1.82と、coronary death が30%高くなっている。糖尿病がより重症な冠動脈病変と結びついている可能性を示唆している。
 
感想
空腹時血糖値70-100 mg/dlがcardiovascular risk のベースラインとなるというところが新しいと思います。HbA1CがU字カーブを描くので妥当な結果。
 
糖負荷試験を用いた日本人でのハザード比の解析は、舟形スタディがあり、冠動脈疾患DM(vs. NGT): 1.97 (1.18-3.28,P=0.010)でほぼ同じ値。
糖尿病負荷試験で全死亡率を比較したDECODE study と同等な結果。
糖尿病では脳出血も1.5倍なるということも指摘され、vascular disease すべてにかかわってくる。




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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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