肥満治療薬のまとめ

GLP-1作動薬は減量薬としても期待されていて、去年、Lancet誌にも論文がでていました。
NEJMに肥満治療薬 Lorcaserinの論文がでていて、他の減量薬の現況、GLP-1との違いを調べてみました。

まとめ
肥満治療薬は、市場に出ては副作用で回収されることが繰り返されていた。
 
cannabinoid 受容体作動薬 Rimonabantは、うつ状態、anxiety、自殺企図が報告され、2007年、ヨーロッパの市場から回収となった。

Sibutranin  は、serotonin とnorepinephrineの再取り込み抑制薬で、非致死性心血管イベントが増加し心血管イベント歴のある人には禁忌となった。発売中止となるかは未定。

Fenfluramine は、lenofenfluramin とdexfenfluramine の二つのisoform のラセミック混合体、ニューロンや,血小板からのセロトニン放出を促進する。
Fenfluramineは1973年、 dexfenfluramine は1996年に認可されたが、閉鎖不全をともなった弁膜症、肺動脈性高血圧が報告され、両剤とも1997年市場から撤退した。

Serotonin 2B (5-HT2B) 受容体は、心臓弁膜間質細胞(Cardiac valvular interstitial cells)、肺動脈平滑筋細胞(Pulmonary-artery smooth muscle cellに発現していることが、セロトニン作動薬である両薬剤の副作用と関係している。
 
NEJM誌に掲載された Lorcaserinは、Serotonin 2C (5-HT2C) receptor の選択性が高い作動薬であり、弁膜症のリスクが低いと期待されている。
治験1年後、5%以上の体重減少はLorcaserin47.5%、プラセボ 20.3%、
Lorcaserin  5.6± 0.2 kg、プラセボ  2.2 kg ± 0.1 kgの体重減少を認めた。
1年終了後後、Lorcaserin の1/3はプラセボへ。プラセボに変わると、体重減少分は元戻ってしまう。弁膜症はブラセボに比べ増加なし。今回の治験では糖尿病、BMI45以上は含まれない。

リパーゼ阻害薬 Orilstat は、体重減少効果の点で、sibutraninなどに比べ劣る。
Orilstat は大正製薬が日本での販売権を持っていて、OTC薬として販売されると予想されている。

GL-P1は、体重減少薬として期待されている。GLP-1 の体重減少は、Gastric empty を遅らせる、Energy intakeを減らすためとされていて、中枢での食欲抑制の詳しいメカニズムは分かっていない。2000年の論文では、
“Firm evidence ascribes ascending GLP-1 containing nerve fibers that originate in the caudal part of the nucleus of the solitary tract as mediators of visceral illness. However, the precise location(s) of the central GLP-1 receptors involved in this mechanisms is unknown.”(4)

感想
5-HT2Bが弁膜に発現していて、セロトニン作動薬が弁膜症を起こしやすいことを知った。
セロトニン作動薬(エルゴタミン、methysergide、pergolide、カベルゴリン、体重減少薬fenfluramine)は弁膜症 (valvulopathy) を起こしやすいということがeditorial に書かれていました。GLP-1は、中枢性の食欲抑制薬に比べ、安全性は高いと思われた。



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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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