肥満治療薬のまとめ2 (リラグルチド)

肥満治療薬としてもリラグルチドのスタディのまとめです。リラグルチドは3 mg まで、20週のトライアルが行われていて、dose-dependent に体重を減らし、prediabetes state も改善させていた。
食事療法と運動療法(physical activity)をあげることも行われていて、プラセボ、Orilstat でも5%以上体重を減らしている人もいるが、prediabetes state は改善していなかった。

まとめ
564人(BMI 30-40)、20週のトライアル
リラグルチド 1.2, 1.8, 2.4, 3.0 mg、Orlistat 120 mg 1日3回、プラセボの比較。
消費エネルギー (energy expenditure)から500 kcal減らした食事、physical activity を上げる運動を併用。万歩計Pedometerを使って、Physical activity を上げる事を勧めた。

体重減少は、リラグルチド 1.2, 1.8, 2.4, 3.0 mgでそれぞれ、4.8 kg 5.5 kg 6.3 kg、7.2 kgプラセボ 2.8 kg、Orlistat 4.1 kg 

リラグルチド 3.0 mg では、72%の人が5%以上の体重減少。(プラセボ 30%、Orlistat 44%)
リラグルチドは血圧を低下させ、prediabetes を減少させた。

Liraglutide のAdverse event は、吐気、呕吐であったが、中止に至ることは少ない。空腹時の脂質濃度には影響しなかった。OGTTの血中CPRにも変化を与えなかった。84週のフォローアップも進行中。
 
感想 
リラグルチド3mg でも、消化器症状はリラグルチドを中止とするほどでなく7.2 kg 体重を減らしたので、84週の長期フォローの結果も楽しみ。
ライフスタイルの介入で2.8 kg 体重を減らしていたが、BMI35位だと、prediabetes state の割合を減らさなかった。そのために薬物療法への期待も高くなってしまう。
20週でのOGTTの結果、HOMA-βは、プラセボ、Orilstat は減少(プラセボ-17%、Orilstat -21%)、リラグルチドでは、増加するが、リラグルチド 2.4 mg、3mg では、増加量が低いので、解釈できず(リラグルチド 1.2, 1.8, 2.4, 3.0 mgでそれぞれ 21.4%、27.5%、8.4%、6.9%)、Discussion では触れられていなかった。HOMA-β指数の解釈の難しさを示している。

1. Effects of liraglutide in the treatment of obesity: a randomised, double-blind, placebo-controlled study. Lancet 2009; 374: 1606-1616
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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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