就寝中のClosed-loop insulin delivery

持続血糖モニター (CGM) とインスリンポンプが一体化された機器でも、高血糖、低血糖を予測したアラームが出るが、CGMの血糖データに応じてインスリン量を変化させることはまだできていない。
血糖値に応じたインスリン注入量を決めるアルゴリズムは実用化に向けて開発中。その論文がLancet 2月27日号にでています。

Closed-loop insulin delivery とは、いわゆる人工膵島(Artificial Pancreas)。
CGM のデータは、15分ごとに看護師が入力(Manual operation
静脈にカニュレーションし静脈血糖のデータも採取、CGMと静脈血の血糖データが比較できる。
アルゴリズムはCompartment model を採用。
 
1型糖尿病で、運動、食事を行わない夜間での結果。
Artificial Pancreas Cambridge (APCam)
① APCam01 (n=13) CSIIとClosed-loop insulin deliveryの比較
② APCam02 (n=7) Closed-loop insulin deliveryで、吸収速度の異なる食事後の比較
③ APCam03 (n=10)  運動後のCSIIとClosed-loop insulin deliveryの比較

血糖値はTarget range への到達率は、APCam01, 03 でClosed-loop insulin delivery の方が優れていた。APCam02では、吸収の早い食事、遅い食事間でTarget range への到達率は変わらず。

インスリンの必要量は変化するので、1型糖尿病で食事や運動に応じてインスリン量の調節が必要。夜間だけなら食事、運動の要素がない。体重、一日総インスリン量、基礎インスリン量で開始できる。運動後、食事内容の違いがあっても、アルゴリズムが有用性である事が示された。

運動後の2例は、静脈血が低血糖にも関わらず、センサーは低血糖を検知せず。1例は、CGMセンサーの値は76 mg/dl 以上だったが、静脈血糖は54mg/dl以下、もう一例はCGMセンサーの値は74 mg/dl 以上だったが、静脈血糖は48 mg/dl以下。センサーアーチファクトかcalibration deviation が持続していたなどが原因。
 
感想
まだマニュアル操作ですが、インスリンポンプに搭載され、夜間の基礎分泌の設定はオートマチックにできるようになるのは可能であろうと思います。指先などでの自己血糖測定(SMBG)でCGMセンサーを補正していくことはきちんとやっていかないといけない。
Comment によれば、Closed-loop insulin deliveryはholy grail (聖杯、困難な探究の対象)であるとしていました。
 


2. A critical assessment of algorithms and challenges in the development of a closed-loop artificial pancreas. Diabetes Technol Ther. 2005 Feb;7(1):28-47.



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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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