LDLコレステロール低値でのHDLコレステロールと心血管イベントリスク

JUPITER trialのロスバスタチン20mg群では、LDLコレステロールの中央値が54.8 mg/dl に低下、HDLコレステロールの値は、心血管イベントのリスクファクターとならないという結果でした。(Lancet 7月31日号)

プラセボ群では、HDLコレステロールおよびapoA1と心血管イベントリスクは強力に相関した。
 
atrovastatin を使ったTreating to New Targets (TNT) study では、LDL 70 mg/dl 以下でも、HDLコレステロールが高い群 (highest quintile) の、心血管イベントリスクが低いという報告もあり、JUPITER の結果が、HDLコレステロールを上げる治療の重要性を否定するものではない。
 
HDLコレステロールを上昇させる、Cholesterylester transfer protein (CETP) inhibitors、Torcetrapibは、治験での死亡率増加が報告され、2006年12月に開発中止となった。血圧上昇、アルドステロン上昇も認められていた (off-target effetcts) 。
 
その後、どうなったかと思っていたらLancet のeditorial によると、新規のCETP inhibitor、anacetrapib、dalcetrapibが治験段階となっていた。
 
LDLコレステロール低値での、HDLコレステロールの治療の意義はこれらの薬でクリニカルトライアルを行うことが必要ということです。

2007年の論文4では、apoAI の転写活性を上げることは”holy grail “(聖杯) であり、まだ難しいようでした。



2. Dissociating HDL cholesterol from cardiovascular risk
The Lancet, Volume 376, Issue 9738, Pages 305 - 306, 31 July 2010
 





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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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