ピロリ菌感染症

429日号のNEJM誌のClinical practice ヘリコバクターピロリ感染のまとめです。

まとめ
ヘリコバクターピロリ菌の感染は
胃がん 0.1~3%
胃十二指腸潰瘍1~10%
MALTリンパ腫<0.1%
に認め、感染者の大部分は、臨床的な合併症がない。
 
潰瘍はピロリ菌による粘膜のダメージのためと考えられている。ヘリコバクターピロリ感染があると発がんリスクが高い。除菌で萎縮性胃炎が減るが、発がんリスクが減るかは明らかではない。
 
GERD、食道がんではピロリ菌感染は少ない。ピロリ菌感染は萎縮性胃炎と関係する。萎縮性胃炎では胃酸分泌が低下するので、GERDからの保護に役立っているのかもしれない。最近のメタアナリシスの結果、ピロリ菌の除菌はGERDのリスクを増加させない。
 
ピロリ菌は、胃酸が分泌されない前庭部 (antrum) に感染、ガストリン分泌を促進、より近位部で胃酸分泌するfornixでの胃酸分泌を促進する。十二指腸の酸負荷はgastric metaplasia を起こし、ピロリ菌のコロニー形成を起こす。
 
除菌はNSAIDsと関連しない十二指腸潰瘍の長期的は完治 (cure) につながる。
NSAIDs
 はピロリ菌感染のない潰瘍の主な原因となっている。
 
Helicobacter pylori Infection N Engl J Med 2010; 362:1597-1604 April 29, 2010


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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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