n-3 不飽和脂肪酸と冠動脈疾患予防

NEJM のonline first にn-3 不飽和脂肪酸の論文が掲載されて読んでみました。
n-3 不飽和脂肪酸の心筋梗塞効果はプラセボと変わらず。
introduction を読むとメタ解析の結果等でn-3 不飽和脂肪酸の心筋梗塞再発予防効果は広く認められていて、今回の結果でプラセボと差がつかなかった理由が説明されていて面白かった。


プラセボと差がつかなかった原因として
・85%がスタチンを使用するなど、心血管の治療の進歩
・死亡原因は心血管死から非心血管死へシフトしている。
・心筋梗塞になったとしてもその後にいいクリニカルケアを受けていれば、その後の心血管イベントリスクは低い。

・糖尿病合併で心筋梗塞を発症した人は、心室性不整脈と突然死を起こしやすいという報告があり、糖尿病合併者をpost hoc, exploratory に解析したところvascular-arrhythmia-related endpoint で、プラセボに比べEPA-DHAはリスク減少を認めた。

日本のEPAを使ったJELISの結果もふれられていたので読んでみました。
EPA1800mgをスタチンへ上乗せ、スタチン単独に比べ、EPAは致死的心筋梗塞の発症を低下させないが、冠動脈イベントを19%低下させたという結果。
 
editorial によると、イタリアのGISSI-Prevenzione studyでは心血管死 17/1000人・年、JELIS 2.5/1000人・年で日本人の心血管死は低い。
 
死亡原因が非血管死にシフトしているとしたら、がんのスクリーニング検査の重要性を再認識したところです。
 

 
2. Effects of eicosapentaenoic acid on major coronary events in hypercholesterolaemic patients (JELIS): a randomised open-label, blinded endpoint analysis
Lancet 2007; 369: 1090–98
 
3. JELIS, fish oil, and cardiac events Lancet 2007; 369: 1062

関連記事

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

最新記事
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
68位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
12位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム