ゲノム医学の総説(2)

NEJM 8月26日号、ゲノム医学の総説を読んでみました。ゲノム医学シリーズでは春から3報目。トピックスが多く、NEJM誌、週刊アクセスの上位に入っています。早老化症 (Progeria) の治療法も開発されています。

Hutchinson-Gilford Progeria
lamin A 核膜のたんぱく質の異常。50アミノ酸の欠失で、ZMPSTE24 recognition site が無く、cleavage されない。Farnesyl transferase によりFarnesyl group が付加されてからcleavage されるので、Farnesyl transferase inhibitor によりcleavage される 異常なlaminn A を減らす治療が試みられている。

Marfan's syndrome 
・FBN1 遺伝子のmutation、extramatrix protein fibrillin1 の欠乏、
モデルマウスではmicrofibril が、TGF-b結合するが、fibrillin1 のmutation のため、TGF-bの活性化が起こっている。
マウスでangiotensin IIがTGF-b signaling を上げるという報告があり、angiotensin IIブロッカー、ロサルタンが、Marfan's syndromeの治療に使われている。
治験の途中結果ながら、ロサルタンが大動脈輪 (Aortic root)のgrowth を抑えるという報告があり。
・Loris-Dietz syndrome は、TGF receptor のmutation、皮膚弛緩症 cuits laxaが症状。

Lysosomal Storage Disease
酵素、基質置換が行われている。(Enzyme replacement therapy (ERT), Substrate replacement therapy (SRT))
 
Duchennen's muscular dystrophycystic fibrosis
アミノグルコシド系抗生物質にTerminal codon となるMutation でもランダムにアミノ酸を取り込む働きがあることがわかり、Duchennen's muscular dystrophy、cystic fibrosis のマウスモデルに試みられている。

Antisense oligonucleotideによる治療
Duchenne's muscular dystrophy はnonsense あるいはframeshift mutationで、mutation 以降のタンパクが作られない
Backer's muscular dystrophyはsplicing に影響する mutation であり、1 エクソン分のたんぱく質がないmutant proteinができる。Backer型の方がマイルドなphenotype を示す。
Dechenne型に対して、splicing site をマスクするAntisense oligonucleotideを使い、
Duchenne's muscular dystrophy をよりmild なBacker's muscular dystrophyの病態に近づける試みがある。
効果が短い short duration of their effectという欠点あり。mutation の多様性があり、カクテルで使用する。
 
感想
ゲノム情報により遺伝子変異が明らかになると、治療困難であった疾患への新しい治療開発に役立っている。
 


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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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