スタチン服用中のmyopathy とSNPs

SNPsのレビューに引かれていた、スタチン投与中のmyopathy 発症とSNPsの論文(2008年)。タイトルは見たことがあったがよく読んでいなかったのでこれを機にまとめてみました。
スタチンの肝臓での吸収には、organic anion- transporting polypeptide OATP1B1が関係している。

まとめ
・SEARCHトライアルで、シンバスタチン80mg 服用中にMyopathyをおこした96人(確定definite 48 初期incipient 48)と、性別、年齢、eGFR、アミオダロンの使用、不使用をマッチさせたコントロール96人の比較。

・SLCO1B1 rs4149056 C alleleは、population の15%に存在、myopathy のリスクはC allele が1コピーあると、4.5倍、CC はTTに比べ16.9倍。
 
・SLCO1B1はorganic anion- transporting polypeptide OATP1B1をコードする。 OATP1B1は、肝臓でのスタチンの取り込みに関与、Cアリルがあるとスタチンの血中濃度が上昇。
・Simvastatin 20 mg から40 mg 服用ではmyopathy の発症は10000人に1人。このvariantがmyopathy のリスクをあげる効果は低い。
・Simvastatin 80 mgではmyopathy のリスク増加、cyclosporine , amiodaron の併用例でもリスクが高い。  Amiodaronとの併用で、myopathy の相対リスク10倍。
 
・Editorial によると、スタチンによるsever rabdomyolysisは0.000044 event per person per yearと低いが、グローバルなリサーチで SLCO1B1のSNPsのデータ蓄積が必要。

感想
シンバスタチンの日本の通常量は10mgで、この論文の使用量よりかなり少ない。アcyclosporine、amiodaron 併用時は注意が必要。
Editorialに、スタチン単独使用ではsever rabdomyolysisが少ないが、高齢者の糖尿病では頻度が上昇するということで、次にその論文を読んでみようと思います。
 

 

関連記事

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

最新記事
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
65位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
11位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム