TREAT study エリスロポエチン製剤に対して、貧血が改善しない群は心血管イベントリスクが高い。

9/17に、この夏はじめて、インフルエンザ迅速キットでインフルエンザAを診断しました。季節型インフルエンザ(H3N2, H1N1)は夏には出なかったので、去年流行った新型インフルエンザH1N1の可能性が高い。今後発熱の若い人にはサーベイランスのためにインフルエンザ迅速キット検査を行っていこうと思います。

NEJM 誌に掲載されたTREAT (Trial to Reduce Cardiovascular Events with Aranesp Therapy) studyの続報を読んでみました。透析前にエリスロポエチン製剤を使う際、Hb13.5 mg/dl を越えると心血管イベントリスクが高くなるという報告があるけれど 3)、TRETstudy では、エリスロポエチン製剤に対する反応が悪いことが問題であるという結果です。

 透析を行っていない糖尿病と慢性腎臓病で、eGFR 20-60 ml/min, Hb 11 mg/dl<_の貧血のある人をランダムにプラセボか Darbepoetin alfaに振り分け。
治療群はHb13 mg/dl を目指し、プラセボ群はHb 9 mg/dl をきらなければブラセボで継続。
 
Darbepoietin alfa 治療でも、ヘモグロビン上昇の反応が少ない4分の1群では、better response に比べ、Composite cardiovascular endpoint ハザード比1.31、新血管死ハザード比1.41と上昇。
Event rateは、Better response とプラセボで同じ。
 
Poor response では、better response に比べ、女性、心血管病の既往歴、アルドステロン作動薬の治療、カリウム値が正常下限 (marginally lower serum potassium)、CRP高めの人が多かった。
Poor response 群では、トランスフェリン飽和率、フェリチンが低い人が多い。
あるヘモグロビンレベルでもエリスロポエチン製剤に対する反応の幅は広い。
Poor responseでは、Darbepoietin alfa の量も増えていたが、Darbepoietin alfa 量が、心血管イベント増加につながったかどうかは不明。
 
感想
Hbのレベルだけでは、cardiovascular event リスクは決められないといいうことか。
Darbepoietin alfa 治療のbetter response 群でもプラセボより死亡率改善がいいわけではないし、strokeはプラセボの方が良いくらい。今後エリスロポエチン治療適応は、Hbよりの低い人にかわっていくのかも知れない。
イギリスのガイドラインでは、CKDの貧血管理は、Hb12.5mg/dl を推奨しているということでした。
 
 
2. UKのCKD治療ガイドライン
CKDの貧血管理は、Hb12.5を推奨

3. Correction of Anemia with Epoetin Alfa in Chronic Kidney Disease N Engl J Med 2006; 355:2085-2098


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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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