クロピドグレルとSNPs

クロピドグレルのloss-of-function allele があると、noncarrier に比べ効果が減弱するというのがこれまでの報告だけれど、NEJM誌の最近の論文1) では、すでに報告されていたCURE trial とActive A trial のSNPs解析で、loss-of-function alleleがあっても、プラセボに比べ心血管イベント抑制を示したということになっていた。

まとめ
アスピリン+クロピドグレル、アスピリン+プラセボの比較
 CURE trial: ST上昇のない急性冠動脈症候群
 Active A: 心房細動のある患者で脳卒中予防
 
 ヨーロッパ起源のCURE study 5039人、ACTIVE study 1156人をCYP2C19 SNPs 解析
 Loss-of-function allele *2, *3
Gain-of-function allele *17

クロピドグレルの効果を強める (Gain-of-function) allele のhomozygote はultrametabolizer と呼ばれ、出血のリスクが高まる(しかしそれほど多くない (but not greater efficacy))。
 
Loss-of-function alleleがあっても、プラセボに比べ、クロピドグレルは心血管イベント抑制を示し、gain-of-function allele があると、CURE trial ではよりイベント抑制効果が増強された。心房細動 (Active A) では、gain-of-function allele ノイベント抑制効果の増強なし。
 
これまでの報告では、Loss-of-function alleleがあると、noncarrier に比べ、心血管イベントは1.53から3.69倍となる。今回その差が見られなかったのは、このスタディで、PCIは18.8%、 stent治療が、14.5%と低い割合であり、他のstudy では70% 以上という違いがあったからという考察。
CURE study の時は、Drug-eluting stent はまだ使われていなかった。
 
感想
クロピドグレルの巻返しの論文。
CURE study は2001年の論文で、その頃はdrug-eluting stent も使われていなかった。ステント治療をしてない人での比較では、SNPsで規定されるpoor metabolizer でも薬のbenefit が失われる事はないということなのでしょう。でも今、DES のあとに使われる事が多いので、poor metabolizerでも大丈夫ということにはならない。ほぼ同時に、LancetにTicagrelor のPLATO study で、SNPs解析論文がでていて、抗血小板治療については、製薬メーカーの競争が激しいようです。
 


関連記事

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

最新記事
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
57位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
10位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム