膵切除後の膵島自家移植、GLP-1受容体で膵島の局在確認

9月23日号のNEJM誌に、ラベルしたexentin-4をトレーサーとして用いて、移植膵島の局在診断をしている論文を読みました。

まとめ
48歳女性、膵島部のインスリノーマのため膵80%を切除、97000個の膵島を1.8mlの容量で抽出。手術後48時間で、インスリン持続注入が必要なインスリン欠乏状態となったため、自家膵島移植をおこなった。腫瘍細胞が混入した際に膵島を切除できるように、左上腕部に膵島を移植した。手術1年後糖負荷試験正常(負荷後2時間血糖値 83 mg/dl)、ラベルしたexentin-4をトレーサーとして解析すると、左上腕部に集積を認め、末梢側からアルギニン静注に対してインスリン分泌を認めた。

感想
①切除部位の膵島を再利用している。慢性膵炎後の自家移植の論文を見たことがあった。インスリノーマでは、腫瘍細胞の混入が懸念されるが、この方法なら検知可能でしょう。もしこの方法が一般的になれば、インスリン治療が避けられるので、インスリノーマの手術後の膵島自家移植も可能かもと思わせた。

②通常、膵島移植は門脈から入れて肝臓に移植となるが、上腕でも糖負荷試験が正常となるくらい、充分の機能を果たすことができることが分かった。

③ラベルしたexendin-4の取り込みは、腎臓と、少ないが十二指腸にもある事を知った。がんなどで膵全的した際もCペプチドが測れることはこれまで経験していたが、その意味がよくわからなかった。こういう”pancreas remnant” から出ているのだろうと思います。


関連記事

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

最新記事
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
65位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
11位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム