GLP-1 の総説 (2) 回腸ブレーキ効果

2007年のHolst が書いたGLP-1総説の続きです。
回腸ブレーキ効果という用語をはじめて知りました。GLP-1の体重減少のメカニズム、中枢作用についてもよく書いてありました。

まとめ (2)
GLP-1は食事による分泌、膵外分泌、胃排出能を抑制、
PYYは、GLP-1と同じ腸管のL細胞から分泌される。GLP-1とPYYはガストリンに刺激された酸分泌を抑制 (abolish)。PYYは食欲と、食事摂取も減らす(2)
 
回腸ブレーキ効果 (Ileal brake effect) とは、吸収されていない食物が回腸にあることにより、腸管機能を内分泌により抑制すること
"Endorcrine inhibition of upper gastrointestinal functions elicited by the presense of unabsorbed nutrients in the ileum."
 
GLP-1の迷走神経 (vagal nerve) を介する作用
GLP-1はbasal lamina からlamina propria へ拡散。
求心神経 (afferent sensory nerve fibers arising from the nodose ganglion) の活性化
(肝組織、肝門脈で求心神経の活性化が起こる)

孤束核 (Nucleus solitary tract)
視床(hypothalums)
迷走神経運動ニューロン (vagal motor neuron)
膵臓を刺激(stimulation impulse)、胃を抑制(inhibitory impulse)
 
空腹時でも満腹感があるので、GLP-による体重減少は、胃排出能の抑制でなく、中枢性の作用。
GLP-1受容体は脳内に発現、特に食事量の調節に重要な視床の弓状核 (arcuate nulcleus)に発現している。
ラットの結果からでは、末梢から投与したGLP-1は、脳弓下 (the subfornical area) 、最後野(the area postrema)でBlood -brain barrier を越えて脳内にリークしていくことが分かっている。
(Wikipediaで調べてみると、脳弓下は、松果体、脳下垂体のある脳室周囲を指すようです。)
 
感想
食事が始まった後、食べ続けないように抑制は必要。自律神経が主体なのかと思っていたが、回腸の内分泌ホルモン、GLP-1やPYYが回腸ブレーキ作用としての働きをしている。
 
 



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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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