ACCORD study と低血糖

NEJM 10月 7日号、ADVANCE study の低血糖を読みました。その中で、ACCORDの低血糖の解析結果にふれていて、解釈にかさなる部分も多いようなので、まず、ACCORDの方を読んでみました。

まとめ
2008年2月、ACCORDは、強化療法の死亡率が標準療法より増加し、フォローアップ3.5年で中止となった。強化療法1.42%、標準療法1.14%
中止の時点では死亡率の増加は明らかでなかったが、低血糖が想定されていた。
 
強化療法、標準療法のそれぞれの治療の中で、低血糖イベント報告のあった人の死亡率は、イベント無に比べ高い。
 
医療上の治療が必要な低血糖 (symptomatic sever hypoglycemic events requireing medical assistqance, HMA)は、治療法と関係。(強化療法群, intensive arm が多い。p=0.0494)
 
しかし、低血糖を繰り返した人で、低血糖1回、2回、3回以上という層別解析(stratify)した結果では、標準療法の方が、強化療法より死亡率が高かった。
 
早期中止の判断となった強化療法群の死亡率の上昇は、低血糖イベントのない人の死亡率が、強化療法群に多かったため。
 
強化療法の方での低血糖イベントが多かったにもかかわらず、低血糖イベントのあった人の比較では、強化療法の死亡率が低かった理由として挙げられていたのは以下の点です。
①強化療法のほうが来院回数やスタッフに会う回数が多く低血糖の知識があり、低血糖に対する備えができていた。
②強化療法ではマイルドな低血糖があり、それが心筋に対してはプレコンディションの働きをして低血糖に対する保護効果を示した。
③標準療法では、血糖自己測定(finger stick blood glucose measurement) 70 mg/dl 未満では血糖降下治療を止めてよかった。そのため標準療法での重症低血糖は、病気や脆弱性のマーカーとなっている。
 
感想
低血糖イベントがあれば死亡率が高いという結果は確認された。
早期中止となった強化療法での死亡率の上昇は、低血糖の報告のない人での差なので、低血糖では説明できないという、ちょっと複雑な結果です。


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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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