ADVANCE study と低血糖

ADNANCE study での低血糖を解析した論文です。(NEJM10月4日号)
ADVANCEは、グリクラザイド主体の治療で、長期的なインスリン治療は除外されていた。

まとめ
強化療法vs. 標準療法
重篤な低血糖 2.7% vs. 1.5%
重篤な低血糖から   major cardiovascular event までの期間 1.56年 vs. 1.05年
重篤な低血糖は、major cardiovascular event 2.88倍、microvascular event 2.68 倍、death from any cause 2.69倍
繰り返す重篤な低血糖はvascular outcome や死亡と関係しない。
 
低血糖の回数が多い人の比較では、年死亡率は、強化療法の方が、標準療法より少ない。低血糖がなければ両群の年死亡率は同じ。
“For those reporting sever hypoglycemia, annual death rates were lower in the group receiving intensive treatment than in the group receiving standard treatment.  In contrast, for those not reporting sever hypoglycemia, annual death rates were similar in the two treatment group.”  
 
低血糖と微小血管症の関連については、低血糖の直接作用というよりは、両者の共通なリスクファクターである、高齢、長い罹病期間などで説明されうる。
 "For example, the observed association between sever hypoglycemia and microvascular disease may be more easily explained by the presence of risk factors common to both (e.g., older age and longer duration of diabetes) than by a direct effects of hypoglycemia on the occurrence of nephropathy or retinopathy."
 
低血糖はadverse event を起こしやすいマーカーのようであるということです
 
感想
高齢者や罹病歴が長いと、自律神経障害があり、低血糖も起こしやすいし、心血管イベントも起こしやすい。罹病歴が長いと微小血管症のリスクも高い。
ACCORDの論文に、低血糖時に心電図の虚血性変化をとらえた報告を引いていたが、、心血管イベント、microvascular event、死亡などを低血糖の直接作用で説明するのは難しく、マーカーという説明は曖昧だけれど、うまくまとめていると思いました。
 


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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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