末梢全血(whole blood)と静脈血での血糖値の違い

先週、血糖自己測定器(アキュチェック)の説明を聞いて、長年の疑問だった、末梢全血(whole blood)と静脈血での血糖値の違いを調べてみました。

Managing preexisting Diabetes and Pregnancy (ADAの出版物) からSMBGの項目を見て、引いてあったが以下の論文。
 

 
plasma とwhole bloodでは、グルコールのモル数は同じ。 
赤血球膜はグルコースを自由に浸透させるが、plasmaの水の濃度 (kg/L)は、whole blood 水の濃度より~11%多い。
ヘマトクリットが正常なら、plasma のグルコース濃度はwholebloodより~11%高くなる。
 
OGTTの時の
capillary blood の血糖値は静脈サンプルより(30 mg/dl) 20-25%程度高い。
一方、空腹時のサンプルでは、capillary blood と静脈の血糖値の差は2 mg/dlしかない。

The molality of glucose (i.e., amount of glucose per unit water mass) in whole blood and plasma is identical. Although red blood cells are essentially freely permeable to glucose (glucose is taken up by facilitated transport), the concentration of water (kg/L) in plasma is 11% higher than that of whole blood. Therefore, glucose concentrations in plasma are 11% higher than whole blood if the hematocrit is normal. Glucose concentrations in heparinized plasma are reported to be 5% lower than in serum (
27). The reasons for the latter difference are not apparent, but may be attributable to the shift in fluid from erythrocytes to plasma caused by anticoagulants. The glucose concentrations during an OGTT in capillary blood are significantly higher than those in venous blood [mean of 1.7 mmol/L (30 mg/dL), equivalent to 20–25% (28)], but the mean difference in fasting samples is only 0.1 mmol/L (2 mg/dL) (28)(29).
 
ヘマトクリットとの関係
ヘマトクリットが高いと全血の血糖が低くなり、ヘマトクリットが低いと全血血糖が高くなる。
血糖測定器は、末梢血全血で測定した血糖値を静脈血の値に換算して表示している。
 以前グルテストネオの説明を聞いた時に、グルテストネオではヘマトクリット電極を利用してヘマトクリットによる誤差を減らす仕組みがあると聞いた。
 
血糖測定器での誤差、血糖変動時の誤差 
血糖自己測定器は末梢血全血での血糖値を静脈血血糖に換算して表示する。
国際規格 ISO 15197 では、「血糖値75 mg/dl未満では、 ± 15 mg/dl、血糖値75 mg/dl以上では、 ± 20% 以内に測定値の95%以上が入っていること」となっている。血糖測定器で表示されている値は± 20%の範囲で考える。
 
また、血糖値が変動している時では、「capillary blood の血糖値は静脈サンプルより20-25%高い。」事も考慮が必要。研修医の時に、病棟で静脈採血での血糖7検の際には、SMBGも合わせて突き合わせ、血糖測定器の値がどの程度信頼できるか、主義の問題がないか確認するように言われていたが、その重要性を感じました。

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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