Sortilin1とapoB

染色体1p13 が、冠動脈疾患と関連していることが知られていたが、これまでメカニズムは 不明だった。1)

Nature 8月号で、1p13のSORT1がコードするSortilin 1の機能解析が掲載され3)、 今回NEJM誌でレビューされています1)。 遺伝子配列の違い(DNA variants) がなぜ疾患に結びつくのか、明確に示されていた。

まとめ
1p13にあるSORT1は、Sortilin 1たんぱく質をコード
マウスの肝臓特異的にSortilin1を発現させると、血中LDLコレステロールが減少する。
 
1p13のSNP rs12740374 は、転写因子CCAAT/enhancer binding protein (C/EBP) のbinding site にあり、SORT1の転写に関係。リスクGアリルは、C/EBP binding site が機能せず、SORT1の転写が抑制される。プロテクティブTアリルは、C/EBP のbinding が増加する。
 
Sortilin 1は、Golgi apparatus や、 endoplasmic reticulum (ER) に発現、ApoB を含んだパーティクルのソーティングレセプターとして働く。
Sortilin1 のノックアウトダウンではアボBを含んだパーティクルの分泌が増加、特にVLDLが増加する。Sotilin1のoverexpression では、VLDLは低下し、LDLパーティクルの取り込み (endocytosis)が増加する。Sortilin1は肝臓でのアボBを含んだリポブロテインの代謝に関係する。
 
LDLとVLDLは、動脈硬化に重要。(Double-edged swordとなる。)
Genomewide association studyが、biological discoveries に結びつき治療への応用も期待される。
 
感想
メカニズムが不明なリスクアリールは多数あるけれど、Sortilin 1と脂質代謝のようにメカニズムが明らかになってきて、オーダーメイト医療というのも可能かもしれない。
(今はSNPsによる疾患リスク予想を臨床に生かすことは難しいとされている。)


2. Genomewide Association Analysis of Coronary Artery Disease N Engl J Med 2007; 357:443-453
 

 

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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