糖尿病性網膜症と抗VEGF抗体療法

糖尿病眼合併症学会続きです。女子医大眼科掘先生の御講演で、眼科内注射の位置づけが分かり、勉強になりました。
抗VEGF抗体療法が、眼に優しい治療として紹介されていました。抗VEGF療法が注目された論文は2004年のものなのでまだ治療の歴史としては浅い。

前増殖性網膜症に対する治療
 早い段階で光凝固、硝子体手術で視力が保たれる。
進行してからでは視力が改善しないことも多い。
 
抗VEGF抗体療法 (眼に優しい治療)
Ranibizumab (Lucentis)
Pagaptanib sodium (Macugen) 抗VEGF作用をもつ oligonucleotide
Bevacizumab (Avastin)
 
糖尿病性黄斑浮腫に対する治療

Triamcinolone acetonide ケナコルト適応外
Dexamethason 臨床治験中
抗VEGF抗体療法
 
感想
眼科では、追加の光凝固術をこまめにやっているという印象がありました。
欧米では、汎光凝固術であるのにたいし、日本では、光凝固を行なった部位の神経細胞は再生できないのでなるべく必要な部位のみ光凝固を行うとうい違いがあるそうです。
光凝固に比べると、抗VEGF抗体療法は、眼にやさしい治療という位置づけになるようです。
 
抗VEGF抗体療法の保険病名としては、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫はまだ入っていない。
動脈硬化が、炎症によると考えられていますが、糖尿病性網膜症も眼の炎症であるというとらえ方になっているということでした。
抗VEGF抗体療法は、短期間の頻回注射が必要で長期的な機能改善についての評価はこれからのようです。眼の炎症を沈めるという点では抗VEGF療法よりステロイドの方が優れている印象というお話でした。

Pegaptanib for Neovascular Age-Related Macular Degeneration N Engl J Med 2004; 351:2805-2816December 30, 2004

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突然すみません

今晩は
サイトを除いてメールをさせていただいています
健診機関に勤める看護師です
 
糖尿病に関して聞ける医師が近くおられず、メールをさせていただきました
「糖尿病性腎症に関するRAS阻害剤の大規模研究」という大規模研究はたくさんされているものなのでしょうか?
いろいろな大規模研究があるような・・・・記載を読みましたが、
大規模研究というのを教えていただけますか?

Re: 突然すみません

試験名
RENALL ロサルタン (ニューロタン) 1513 人
DIRECT カンデサルタン(ブロプレス) 1905 人
などアンギオテンシン受容体阻害薬は大規模スタディを組んでいることが多いです。
「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン」 日本腎臓病学会 東京医学社
に、RAS系阻害薬と腎臓に関するスタテディがリストアップされていますのでご参照ください。
有名だと思うのはRENALLで糖尿病性腎症の進展予防効果が示されています。

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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