コレステロール引き抜き能 (cholesterol efflux) と動脈硬化

High density lipoprotein (HDL) のコレステロール引き抜き能は頸動脈肥厚と逆相関するという結果です。
ヒトのfibroblast をつかった場合では頸動脈肥厚との相関は示せていなかったが、今回はマウスのマクロファージのcell line をつかって、綺麗に相関を示していた。スタチンはcholesterol efflux に影響しないが、ピオグリタゾンは改善させるということでした。

まとめ
High density lipoprotein (HDL) はmacrophage foam cell からATP-binding cassette transporter A1, G1 を介して過剰なコレステロールを取り除く。
 
J774はマウスのマクロファージのcell line、3H cholesterol でラベルする。
8-(4-chlorophenylthio)-cAMP と6h incubation ABCA1の発現を増加させる。血清のサンプルを4時間incubationする。
 
HDL とcarotid intima media 肥厚は相関なし
Cholesterol efflux とcarotid intima media 肥厚とは相関する。Coronary artery disease status のpredictor となる。
 
Cholesterol efflux は、Reverse-cholesterol-transport pathwayに占める割合は小さいが、atheroprotection としては非常に重要
 
HDLはparticle size、電荷(charge)、protein composition についてはかなりheterogeneity がある。
HDLの機能障害についてはよくわかっていないがoxidative damage が想定されている。2)
 
プラバスタチン、アトロバスタチンはcholesterol effluxに影響しない。
ピオグリタゾンはcholesterol effluxを改善させるが、apolipoprotein A1の転写を上げるためと考えられている。
 
感想 
HDLもoxidation により機能低下があるということで、値が高いだけでは安心できない。
cholesterol efflux の改善について、HDLコレステロールを上げるフィブラート系に薬剤や、ピバスタチン、ロスバスタチンの結果も知りたいところでした。
 
1. Cholesterol Efflux Capacity, High-Density Lipoprotein Function, and Atherosclerosis N Engl J Med 2011; 364:127-135January 13, 2011
2. HDL and Cardiovascular-Disease Risk ― Time for a New Approach? Jay Heinecke, M.D. N Engl J Med 2011; 364:170-171January 13, 2011
 

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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