心血管イベントハイリスクでは、ベースラインCRPにかかわらず、スタチン治療は心血管イベントを抑制する。(HPS study)

the Heart Protection Study (HPS) はハイリスクの人に対するスタチンのrandomized trial。
ロスバスタチンのJUPITER試験では、心血管イベントリスクが低く、CRP2以上の人をエントリーして、高いリスク減少効果を示したが、ハイリス久の人でもベースラインCRPが高いと、スタチンによるイベント抑制効果が高いかどうか検証されています。

まとめ
CRPは、喫煙、糖尿病、physical activity、血圧、BMI、non-HDL Chol、Triglycerideと正の相関を示すことが知られている。
 
JUPITER は、17802 人、健康な男女、LDL Chol 130 mg/L未満、CRP2.0 mg/L 以上で、rosvastatin 20 mg を服用、1年後LDL Chol 50%、CRP 40%減少、中央値2年の治療で、composite outcome 40%減少。良い結果がでたということで、early terminationとなって、結果が過大評価(over exaggerate) であるという批判あり。
 
HPS study は、20536人、ハイリスクな男女、シンバスタチン40mg、5年間の治療。
24%のmajor vascular events 減少あり。baseline CRP に応じたendpoint 減少はない。(CRP が高くても低くendpoint 減少は同等。)CRP1.25 mg/L未満でも、major vascular events は29%抑制。
 
Low risk の人と、high risk の人でCRPの持つ意味は異なる。High risk の人にとって、CRPは、lower relative risk でしかない。
 
Comment の方では、HPS study でもベースラインCRPが高いとイベント発症率が高くて、CRPがmajor vascular events と結びついているのは明らかとしている。(スタチンの効果予測マーカーとしてはあまり役立たないが)
銀河のように数あるCVDリスクマーカーから、輝く星(shining star) となるのか、光を減じるのか(dimming light) は、強固なエビデンスと、建設的な批判とともに今後決まっていくもの。2)ということです。
 
感想
この論文の中で何回、JUPITER がでてきたことか。JUPITER の結果を検証するために、design されたようなもの。
CRPが高い人はスタチン治療のベネフィットが大きいのかどうか検証した結果は、ハイリスクの場合は、ベースラインのCRPが高いとイベント抑制効果が高いということはないということ。
JUPITER で良い結果がでたのは、ローリスクでのCRPの高い人を選んだからという印象を持っていたけれど、実際の臨床で治療が必要なハイリスクの人では、CRPはスタチン効果予測マーカーとしては働いていない。
 
1. C-reactive protein concentration and the vascular benefits of statin therapy: an analysis of 20 536 patients in the Heart Protection StudyLancet, 2011; 377, 469 - 476, 5 February 2011
2.CRP: star trekking the galaxy of risk markers Lancet, 2011; 377, 441 - 442, 5 February 2011
 

関連記事

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

最新記事
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
102位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
13位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム